フード連合「Women‘s Activation Seminar(5月29日)」を開催71日)
「女性の組合活動参画推進に向けて」講演される西田会長(連合奈良)
5/29(土)、フード連合「Women‘s Activation Seminar」がWeb(Zoom)にて開催され、20単組41名が参加しました。

開催にあたり、主催者を代表して伊藤会長より挨拶がありました。
日本はジェンダーギャップ指数(各国の社会進出における男女間格差を示す指標)が156カ国中120位と諸外国と比べて非常に低位の状況にある。1986年に男女雇用機会均等法が施行されて以降、女性活躍推進法をはじめとした法律が整備され、昨今では国際的にも女性の活躍推進が進められており、社会全体で男性・女性を問わず、誰もが働きやすい環境づくりが進められている。
これはこれまで多くの女性たちが社会においても、また労働運動においても主体的に声をあげてきたこと、行動してきたことが多分に影響しており、社会や会社の仕組みを変えていくのは、私たち一人ひとりの声から始まっている。
社会の仕組みや法律を変えていくには政治に関与していくことが重要であり、会社の各種制度を改善していくには組合活動に参画していくことが重要である。まずはそういった場面に皆さん一人ひとりが主体的に参画していくことであり、また、それぞれ皆さんが持っている権利や考えを大切に、様々な取り組みを進めていっていただきたい。と挨拶がありました。

その後、連合奈良の西田一美会長から「女性の組合活動参画推進に向けて」と題して講演がありました。
昨年からの新型コロナウイルス感染症の拡大は多くの働く人たちに、特に女性にとっては大きな影響を与えている。調査によると女性の約26%の方がコロナによって雇用に大きな影響を受けたと答えている。(男性で約18%)また、解雇や雇止めにあった女性の約33%が再就職できない状況にあり、未だに社会の風潮として、性別的役割分担意識は存在しているのではないかと捉えている。そういった社会の風潮、仕組みを変えていくのも、私たち女性の声でもあり、私たちが組合活動や政治における意識決定の場に参画していくことが重要と考えている。また、これまでの男女平等だけではなく、社会的、文化的に形成されるジェンダー平等の観点からも様々な活動を進めていく必要がある。
私も最初はまわりの先輩に言われて組合役員を担ったが、女性の役員はほとんどいなく、はじめは不安であった。今日参加されている皆さんもそういった場面を経験されてきていることと思う。不安もあると思うが、まわりには仲間もいてくれる。失敗と成功を繰り返して、みんな成長を遂げていっている。ぜひ、組織として意志決定をする場面や政治の場面など、様々な場面・機会に勇気を持って、積極的に参画していっていただきたい。とお話がありました。

「伝え方を磨こう」講演される加藤先生(J-union)
その後、J-unionの加藤瞳先生から「伝え方を磨こう」をテーマに学習会が行われ、直接対面やオンラインを通じて、どのような準備、手法を用いると相手に伝わりやすいかなどの説明がありました。
その中で相手に理解してもらうことだけではなく、相手に動いてもらうまでの目的を整理し、より相手のことを理解することが重要という話がありました。また、伝えるための事前準備として、事実と解釈を整理しておく必要性などについて説明があり、学んだことを自身の現状に置き換えて、相手に伝えるための手法などを整理した後、グループ毎に分かれて共有・発表を行いました。

その後、フード連合「女性中執の会」からの取り組み紹介があり、中西中央執行委員(キッコーマン労組)から、自単組で主担当として取り組みを進めている「SOGI(性的指向・性自認)」や「パートナーシップ宣誓制度」に関する具体的な取り組み事例の紹介がありました。「SOGI(性的指向・性自認)」の取り組みについては、労組としての慶弔見舞金規程が周りの組合員と同様に同性パートナーにも適用されるのかを確認し、自単組として変えていけることから取り組みをはじめ、それをきっかけに、会社制度における配偶者要件の改定に向けて取り組みを進めている事例などの紹介ありました。
 また、同じ「女性中執の会」の白山中央執行委員からは、今年度の「女性中執の会」が作成した「女性役員登用拡大に向けて」の資料を用い、女性役員の登用拡大に取り組む意義や組合役員を担うことの魅力、組合役員としての経験が会社や社会、自分自身の成長にも繋がっていることなどの紹介がありました。

 最後に全体で意見交換を行い、組合員に「SOGI(性的指向・性自認)」対する理解を深めてもらうためのポイントや、職場アンケート等を行う際の効果的な集約方法、また、女性役員を拡大していくための方策などについて情報共有を行いました。
 参加者からは、男女平等・女性活躍について考え直すきっかけになったことや他単組の事例を聞いて視点の違いに驚きと気付きが得られたこと、また、女性目線での話を聞くことができ、共感できる内容や今後の活動の参考となる情報を得られたこと、来年は他の役員にもぜひ参加してもらえるよう呼び掛けていくことなどの感想がありました。