年頭挨拶 会長 伊藤敏行11日)
『誇りと自信を持てる産業へ、働く者のさらなる結集で取り組もう』

新年おめでとうございます。
組合員の皆さま、ご家族の皆さまのご多幸を心からお祈り申し上げます。
昨年も各地で台風等の自然災害が多発し、私たちの仲間も被害に遭われました。被災された方々にお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復旧、復興を心よりお祈り申し上げます。

緊張感のない政治状況、政治は誰のものかを今一度考える
 さて、安倍首相の通算在職日数が昨年11月で憲政史上最長となりました。2012年に政権について以来、「アベノミクス3本の矢」「女性活躍」「1億総活躍」「働き方改革」「人づくり改革」「待機児童ゼロ」「非正規(労働)なくす」「介護離職ゼロ」等のスローガンを掲げ選挙を実施し、長期にわたり政権を維持してきました。
 スローガンを見ていると、実現していただきたいテーマでもありますが、中身や、手続き、何よりも本気度は、疑わしいものもあります。本来であれば、国会で充分な審議を行ない、政権運営について厳しくチェックする機能がなければならないのですが、野党が分裂していたこともあり、結果、緊張感のない政治状況が続いています。しかし、このような政治状況を許しているのは、主権者である国民でもあります。この間実施された選挙で、有権者の約半数が選挙権を放棄しているのです。政治は誰のものか? 政治の仕組みを行使するのは、我々有権者である国民です。今一度、「国民主権」について考えていただきたいと思います。

地区協活動への協力と積極的参画の呼びかけをお願いする
 フード連合は、第18回定期大会にて、向こう2年間の運動方針を決定しました。結成以来、“車の両輪”にたとえてきた「業種別部会」と「地区協議会」のそれぞれの重点役割を再定義しました。2つの運動体の前進に向け、加盟組合にはさらなる積極的な参画をお願いします。特に「地区協議会」では、役員のほとんどが非専従者であり、議長・事務局長はじめ三役は、会社業務の傍ら地域の産別運動に取り組んでいます。限られた単組・役員が過度な負担にならぬよう、みんなで助け合い、支えていただきたいと思います。全国に拠点がある大手組合は、各支部に地区協活動への積極的な参画を呼びかけていただくようお願いします。

「同一労働同一賃金」に労働組合が主体的に関与する
 いよいよ「2020春季生活闘争」の開始です。今次闘争は、賃上げについては「底上げ」「底支え」「格差是正」のため「上げ幅」のみならず「賃金水準の追求」への転換です。フード連合は、2013年に「賃金ビジョン」を策定しました。自組織の賃金が「賃金ビジョン」におけるどの水準(目標、到達、ミニマム)に位置するのかを点検することがスタートです。
 ただ、中小労組では個別賃金データを把握していない単組が多数あります。フード連合は、「中小労組春闘推進会議」を設置し、要求づくりから交渉に至る中小労組を支援していきますので、自分たちだけで悩まず、本部、ブロック局へぜひご相談下さい。
 また、賃上げと同時に、「働き方の実現」に関する取り組みもしていかなければなりません。本年4月から大手企業では、「同一労働同一賃金」が施行となり、雇用形態の違いによる不合理な待遇差は解消しなければなりません。パート・有期雇用労働者が組合員であるか否かに関わらず、労働組合がこの課題に主体的に関与することが重要です。パート・有期雇用労働者を未だ組織されていない構成組合は、これを機に、組織化に取り組んで下さい。

「15万フード連合」に向け総力を挙げる
 人が生活するために必要なものとして「衣・食・住」と一般的に表現されます。人は食べないと生きていけません。よって、「食」は最も必要なものであります。その「食」に携わる食品関連産業労働者の社会的な地位が、このままで良いのでしょうか? 労働条件が、他産業と比較して劣っていても仕方ないのでしょうか?
 働く者が、誇りと自信を持てる産業にしていくためにも、食品関連産業労働者のさらなる結集が必要です。集団的労使関係のない労働者をなくすため、「15万フード連合」組織拡大に総力を挙げて取り組もうではありませんか。
 すべての構成組合の、格段のご理解・ご協力をお願いし、食品関連産業で働く仲間の益々のご健勝を祈念して、新年のご挨拶と致します。