あの美しい風景のある故郷に帰りたい 〜「ピースアクションin根室」(2019.9.7〜8)〜101日)
 北方領土が旧ソビエト連邦に不法占拠されて、今年で74年が経過しました。
北方領土の元島民であっても自由に上陸できない、北方四島周辺の海域では自由に操業できないなど、現在もさまざまな問題が生じています。

 フード連合は、平和を考える行動の一環として、「ピースアクションin根室」を毎年開催し、戦争を体験した世代が少なくなっていく中、現地で直接ふれることで平和を考える取り組みを行っています。
 今年も連合「2019平和行動in根室」にあわせ、9月7日(土)〜8日(日)に開催し、7単組29名が参加しました。

連合2019平和ノサップ集会にて
 第1日目(9月7日)は、「連合2019北方四島学習会」(北海道立北方四島交流センター ニ・ホ・ロ)に参加しました。
 学習会は、第1部として映画「ジョバンニの島」の上映があり、第二部は@「北方領土問題の現状と日ロ共同経済活動を前進させるために」(パネリスト・NHK解説委員:石川 一洋氏、北方領土返還要求運動連絡協議会 事務局長:児玉 泰子氏、根室市長:石垣 雅敏氏、北海道総合研究調査会 情報企画部研究員:古宮山 晴香氏、コーディネーター・連合総合組織局長:山根木 晴久氏)A「島のくらしと領土返還への想い」(元島民 択捉島・蘂取(しべとろ)出身:鈴木 咲子氏)、B「海から見た北方領土問題」(東海大学海洋学部教授:山田 吉彦氏)、C「見えない壁」の向こう側(北の海の動物センター 理事:本間 浩昭氏)の各セミナーに分かれ、北方領土への理解を深めました。

 第2日目(9月8日)は「連合2019平和ノサップ集会」(納沙布岬:望郷の岬公園)に参加し、連合全体で北方四島の一括返還が実現するまで北方領土問題に粘り強く取り組んでいくことを確認しました。当日はあいにくの天候で、残念ながら3.7km先の歯舞群島や国後島の山影をはっきりと見ることができませんでしたが、参加者全員が返還運動への気持ちを新たにしました。

 集会終了後、「ねむろ水産フェスタ」(協力:根室市歯舞漁協等)に参加し、さんま、てっぽう汁など地元の新鮮な海の幸を堪能しながら、参加者間の交流を深めました。

 2019年の「ピースアクション」は、今回の根室で幕を閉じました。そして、「平和への思い」は、2020年6月の沖縄へと続いていきます。
 6月沖縄、8月広島・長崎、9月の根室で、「平和への思い」を語り合い、そして、未来へと伝えていきましょう。

参加者の感想

ピースアクションin根室に参加して
全日糧労働組合 目黒 美生

Photo

 今回初めてピースアクションin根室に参加しました。参加する前までは、北方領土には正直なところあまり関心がなく、「あいうえおの島だ」という印象しか持っていませんでした。あいうえおの島とは、北方領土の並び順の覚え方で、「北から択捉、国後、色丹、歯舞と並んでいて、あいうえお順になっている。」と、小さいころに教わったものです。最近ではテレビのニュースで、二島返還を目指していることへの賛否について話しているのを見ましたが、北方領土問題がニュースの話題になること自体に驚いたくらいです。ですが、9月7日に根室入りして、北方領土返還を訴える看板があったりロシア語の標識があったりしているのを見て、「現在進行形の問題である」ということを感じたと同時に、私自身が無知・無関心だったことに反省させられました。
 ピースアクション1日目、実話をもとにして作られたという映画「ジョバンニの島」を観ました。ある日突然に学校や家にロシア人が来て困惑していた島民たちが、徐々に仲良く交流している様子が意外であり、印象深かったです。人レベルでは仲良くできるのに、国レベルだとうまく行かないのはもどかしいと感じました。2日目、納沙布岬に行きましたが天気が悪く、残念ながら北方領土を生で見ることができませんでした。代わりに資料館の模型を見ましたが、想像以上に大きくて驚きました。また、当たり前かもしれませんがアイヌ語らしい発音の地名がたくさんあって、親近感が沸きました。多種多様な動植物があるということだったので、行ってみたいなと少し思いました。北方領土も、EUのように国境関係なく自由な行き来ができればいいのにと思いました。
 私は札幌に住んでいますが、ピースアクションin根室に参加しなければ一生根室に行く機会がなかったかもしれないので、この2日間は私にとって、北方領土の歴史や問題を知るうえでとても良い経験になりました。