「沖縄県民の4人に1人が犠牲になった73年前の悲劇。繰り返さないために、愛する人に今何を伝えるべきなのか」〜ピースアクションin沖縄2018.6.21〜23〜717日)
沖縄基地問題について講話をするダグラス・ラミス氏
 沖縄は、太平洋戦争の折、日本で唯一住民を巻き込む地上戦があった地です。日米両軍兵士だけではなく、民間人が戦闘に巻き込まれ、多くの尊い命が失われました。
 フード連合では、平和を考えるための行動「ピースアクションin沖縄」を毎年開催しており、今年は全国から58名(18単組)が参加しました。
 1日目「平和を考える学習会」では、「標的の村」と題した沖縄基地問題に関するビデオを見て、その実相を学びました。
 続いて、元・米軍海兵隊員で政治学者のダグラス・ラミスさんから「沖縄の基地問題について」の講話を聞きました。
 講話の中では、日本にある米軍基地施設の70%が沖縄にあるという不平等さと、NIMBY(Not In My Back Yard)“自分の裏庭には作らないでくれ“という言葉を例えとして、日本にある米軍基地はどうあるべきか、日本の安全保障はどうあるべきか、我々日本人全体が沖縄の基地問題について、沖縄だけに押し付けるのではなく“自分たちの問題”として認識し、正しく向き合うことの必要性について話しをされました。

2018ピースアクションin沖縄に参加した全員が沖縄の過去と現在を見聞し、未来に向けて平和の尊さとは何かを学びました
 2日目は、平和ガイドの本村文代さん・本村光雄さんのガイドで、72年前激戦地であった南部戦跡(嘉数高台、糸数壕(アブチラガマ)、平和祈念公園、ひめゆりの塔、ひめゆり平和祈念資料館、ひめゆり学徒の最後の自決地「荒崎海岸」)を歩き、過去の追体験をしました。

 3日目は、連合主催「連合2018平和オキナワ集会」に参加しました。集会では、「沖縄基地問題」をテーマとし屋良 朝博さんの講演後、平和式典が開催されました。フード連合からの参加者を含め、地元沖縄県のみならず全国から1,000名を超える人々が参加し、平和を祈念しました。
 「ピースアクション」は、8月の広島、長崎、9月の根室へと続きます。

参加者の感想

「ピースアクションin沖縄に参加して」

日清オイリオグループ労働組合 宇野 浩輔

 最近、テレビや新聞では「基地問題」「憲法改正」といった言葉をよく耳にしますが、どこか遠くの異国で起こっている出来事のように感じ、関心を持たずに聞き流していました。
 気軽な気持ちで参加した今回の「ピースアクションin沖縄」ですが、この二日間で学んだ沖縄で起こった悲惨な出来事、いまだに消えない戦争の傷跡、そしてこの先の沖縄での暮らしを左右するであろう基地問題、どれも沖縄の地に行ってみなければ感じることができない、貴重な体験でした。当労組からは4名参加させて頂きましたが、皆、貴重な学びの場であったと感じております。また、基地問題や憲法改正といった日本の将来を左右する出来事について、自分事として真剣に向き合わなければいけないと強く思うようになりました。この場を借りて御礼申し上げます。
 嘉数高台公園から見下ろした普天間基地。私たちが到着するまさにその時、上空をオスプレイが飛んでいました。基地のすぐ周辺には住宅地や小学校が立ち並び、まさに「世界一危険な飛行場」と言われている現状が見て取れました。一方で公園内部には米軍の銃撃により原型をとどめていないトーチカが今もあり、過去に行われた激しい戦闘を物語っていました。悲惨な戦争を二度と繰り返さない為にも戦力の不保持を唱える一方で、日本を守る米軍基地の約74%が沖縄に集中し、その大きな負担が沖縄を苦しめています。この負担をいつまでも沖縄に背負わせてしまっていいのか、目を背けずに考えなければいけない問題だと思いました。「沖縄の現在・過去・未来が見渡せる公園」と呼ばれる嘉数高台公園ですが、まさに過去の惨劇から現在の基地問題、そして今後の沖縄ひいては日本の未来について考えさせられる場所でした。
 アブチラガマ、ひめゆり平和記念資料館では、当時、この土地で行われた恐ろしい出来事の数々について生々しく感じさせられました。教師になることを夢見て入学した多くの女学生が、長引く戦争により、最も悲惨な地上戦に訳も分からず巻き込まれ、命を失っています。「命どぅ宝(命こそ宝)」は沖縄戦を生き残った方から発せられた今も沖縄で大切にされている言葉だそうですが、この言葉を二度と裏切ることがないように、日本が二度と戦争に踏み出さないよう皆が考えなければいけないと感じました。
 私個人としては、初めての沖縄でしたが、想像していた通りの観光地としての華やかで活気あふれた島である一方、今もなお戦争の傷が残り続けていることを知りました。沖縄を始め、日本が平和な国であり続けるために、個人でできることはそう多くないと思います。ただ、少しでも多くの人が、過去に起きた戦争の悲惨さを学び、今の日本が抱える問題を直視して、自分なりに考えることが、大きな前進に繋がっていくものだと思います。ピースアクションは戦争と日本の未来を考える良い機会であり、より多くの方々に経験して頂ければと思います。