年頭あいさつ 会長 松谷和重11日)
【多くの従業員の生活を預かる労働組合として役割を果たす】

新年おめでとうございます。
 日頃は、フード連合の運動前進の為、深いご理解とご支援、並びにご協力を賜りありがとうございます。
 昨年同様に今年も頑張るぞ! との気持ちで新年を迎えております。

◆企業の在り方が問われている 今一度労使で確認を
 昨年も色々な出来ごとがございました。
 燃費走行距離に関する改ざんや、基準を満たさない製品の数値改ざん、製品出荷の最終段階における資格を持たない検査員の配置など、企業の長年の信頼が揺らぐ事態の報道がなされました。
 中には、数十年続けられている案件もあり、事態は深刻と言わざるを得ません。
 また、長時間労働に対する企業の在り方が大きく取り上げられ、大手企業が書類送検されるという事件が数件ありました。
 違法な残業をさせている企業もあり、厚生労働省では実名での公表を行っています。
 しかしこれらは氷山の一角でしかありません。
 今の労働基準法をしっかりと遵守出来ない企業への罰則を強めない限り、イタチごっこの様な気がします。
 さて、これら製品のデーター改ざんの問題や、違法残業の問題は、単に企業のコンプライアンスの問題だけで済むのでしょうか?
 裏を返せば、現場で働いているのは私たち組合員であり、その組合員自身がなぜ見抜けなかったのか? または、見過ごして来たのか? についても問われる事だと思います。
 私達は、企業が健全に経営出来る様、また、多くの従業員の生活を預かっている事を考えれば、しっかりとした経営のチェックを行わなければなりません。
 今一度、労使で確認し合う機会だと思います。

◆「良い企業」とは 更なる対話を重視する
 既にご案内の事ですが、国内の企業業績は総じて上向いています。
 それは、私たち食品関連産業も同様です。
 しかし、人口減少のさなかでは今後の売上増を見込むのは難しく、各企業では現在の生産性をいかに上げていくかが大きな課題となってくるでしょう。
 同時に労働力人口も減少しており、人手不足はどの産業も悩みの種です。
 ここで大事なのは、「どうすれば人をたくさん採用出来るか」ではなく、「どうすればたくさんの人に来てもらえるのか」を考えるべきだと思います。
 休みを増やす、賃金を増やす等々、福利厚生面を充実させる事になる訳ですが、昨日、今日に急に増える訳でもなく、仮に急に増えるとすれば、現従業員からは「今までは何だったのか!」と捉えられかねません。
 私が考える良い企業とは、「働いている人が笑顔なのか」また、「いつも職場の発展を考え、アイデアを惜しまなく提案出来ているのか」等々を思いつきます。
 つまり、「職場は笑顔で働ける環境にあるのか?」「会社は従業員の声を聞いているのか?」になって来ると思います。
 これは決して労働組合も蚊帳の外ではありません。
 皆さんの会社はそういった風土にありますか?
 更なる対話を重視した取り組みの年にしていきたいと思います。

◆総がかりの体制で 取り組み強化・支援を行なう
 さて、2018春闘についてですが、昨年11月に開催した2018春闘討論集会で素案の提起があり、12月の中央執行委員会において方針(案)が承認されました。
 そこで承認された執行部(案)が今年の中央委員会に提起されます。
 ここで承認が得られれば、フード連合としての2018春季生活闘争方針が決定し、それぞれの単組におかれましては、単組の要求作りに入っていく事と思います。
 賃金を取り巻く環境はここ数年整いつつあり、誰に聞いても賃上げは必要であるとの回答がありますが、個々の事情になると少し声が小さく聞こえる傾向にあります。
 フード連合としても総がかりの体制で取り組みを強化し、しっかりと支援させて頂く所存です。
 是非、みんなで共闘しましょう!

◆共に元気にがんばろう
 今年の干支は戌(いぬ)です。
 好奇心旺盛で人懐っこく、協調性や柔軟性に長けているとか。
 反面、ここと思えば突っ走ってしまう短所もあるとか。
 長所、短所も本人の個性として受け入れ、共にがんばりましょう!
 今年も宜しくお願い致します。