〜72年前にあった事実を皆と歩んで〜ピースアクションin沖縄2017.6.21〜2376日)
 沖縄は、太平洋戦争の折、日本で唯一住民を巻き込む地上戦があった地です。日米両軍兵士だけではなく、民間人が戦闘に巻き込まれ、多くの尊い命が失われました。
 フード連合では、平和を考えるための行動「ピースアクションin沖縄」を毎年開催しています。今年は全国から50名(13単組)が参加しました。

沖縄基地問題について講話をするダグラス・ラミス氏

 1日目「平和を考える学習会」では、「標的の村」と題した沖縄基地問題に関するビデオを見て、その実相を学びました。
 続いて、元・米軍海兵隊員で政治学者のダグラス・ラミスさんから「沖縄の基地問題について」の講話を聞きました。
  講話の中では、日本にある米軍基地施設の70%が沖縄にあるという不平等さの例えとして「沖縄の人口は日本の1%、日本の人口を100人としたら、沖縄はそのうちの1人。そのなかで10万円の食事会を開催した。支払額を沖縄70%・他30%とすることを過半数以上の賛成で決めた。その場合、沖縄は1人で70人分(7万円)を払うことになり、残りの30人分は99人で分配し1人330円。比較すると7万円と330円と大きな違いがあり、沖縄にある米軍基地施設にはそれぐらいの不平等がある」と説明し、日本にある米軍基地はどうあるべきか、日本の安全保障はどうあるべきか、我々日本人全体が沖縄の基地問題について、沖縄だけに押し付けるのではなく“自分たちの問題”として認識し、正しく向き合うことの必要性について話しをされました。

2017ピースアクションin沖縄に参加した全員が沖縄の過去と現在を見聞し、未来に向けて平和の尊さとは何かを学んだ

 2日目は、平和ガイドの本村文代さん・本村光雄さんのガイドで、72年前激戦地であった南部戦跡(嘉数高台、糸数壕(アブチラガマ)、平和祈念公園、ひめゆりの塔、ひめゆり平和祈念資料館、ひめゆり学徒の最後の自決地「荒崎海岸」)を歩き、過去の追体験をしました。

 3日目は、連合主催「連合2017平和オキナワ集会」に参加しました。集会では、「語り部から学ぶ沖縄戦の実相」をテーマとし山城 克己さんの講演後、平和式典が開催されました。フード連合からの参加者を含め、地元沖縄県のみならず全国から1,000名を超える人々が参加し、平和を祈念しました。
 「ピースアクション」は、8月の広島、長崎、9月の根室へと続きます。

参加者の感想

「ピースアクションin沖縄に参加して」

千葉製粉労働組合 守岡貴

 ここ数年は、安全保障関連法の成立や憲法改正の動きがあり、個人的にも平和活動に興味を持っていました。また労働組合の活動としても、これからも満足に働いていくためには平和が必要との考えもあり、今回参加させていただきました。単組からの参加は私一人でしたが、参加の皆様と交流もできとても良い経験になりました。この場を借りて御礼申し上げます。

 南部戦跡廻りではガイドの本村さんから沖縄で起きた事実や人々の思いをお聞きし、当時の状況を思い浮かべながら、沖縄の今を回ることが出来ました。軍隊は住民を守らない、この言葉に最も衝撃を受けました。ガマの中での状況や、嘉数高台から見た普天間基地を思い出します。普天間は本当に住宅地に囲まれており驚きました。これまで私は近くに軍隊の存在を感じたことはなかったのですが、ここではこれが普通なのかと愕然としました。映像学習と講演の中で沖縄基地問題に触れて、日本では国内米軍基地の70%を沖縄に配置し、沖縄に負担を強いている現状を知った時、私たちは過去も今も沖縄を犠牲にして安全を得ようとしているのではと思ってしまいました。

 平和祈念公園から見える海と空は本当にきれいな青が広がっており、荒崎海岸に向かう道ではさとうきび畑が波をうっていて、イメージ通りの美しい風景も楽しむことができました。しかし当時は鉄の風雨の中、海まで黒く、植物も焼き払われていたそうです。今、形の上では戦争は終わり、緑が戻り、海も空も青く、静かに暮らすことが出来ているようにみえますが、沖縄に残る問題はもとよりこれから再び悲劇を起こさないよう、今回学んだこと、感じたことを組織内に伝えていきたいと思います。

 私自身も、戦争は過去の出来事と、身近な問題として捉えていませんでしたが、今なお世界中のあちこちで戦争が続き尊い命が奪われていますし、いつまた日本がそうなってもおかしくはありません。今回学習させていただき、戦争で犠牲になられた人たちが残してくださった今を未来ある子どもたちへ、またその次の世代へ繋いでいくことが私たちの役割であると思えました。ここ沖縄で実際に起きていた悲惨な戦争について見てきたこと、聞いてきたことを多くの方に伝え、多くの方とともに考えていければと思います。