年頭あいさつ 会長 松谷和重11日)
「働く環境作りへの責任を担っていることを忘れない」

 新年おめでとうございます。昨年は、フード連合の運動前進の為、加盟単組の皆様方には深いご理解とご支援、並びにご協力を賜りありがとうございます。
 心新たに新年を迎えられ、今年も頑張るぞ! との威勢の良い声も聞こえてきそうな気がします。

◆事前の備えと迅速な対応、一人ひとりの支援が復旧・復興へ繋がる
 さて、昨年も色々な出来事がございました。
 列挙すればきりがありませんが、イチローのヒット記録や、広島カープの25年ぶりのリーグ優勝、「山の日」制定による休日の増加、18歳への選挙権引き下げによる選挙制度改定で240万人の有権者の増加、あとは、PPAPでしょうか(笑) そうそうポケモンGOも流行りましたね!
 良くない話では何と言っても熊本を中心とする九州地震により、多くの被害が出た事です。こういった災害を防ぐのは難しいですが、起きた時への備えは事前に準備する事が出来ます。簡単な事から言えば、飲料水や簡易食料、簡易電源などの備えをする事が出来ます。また、災害マップも自治体が発行しているので、事前に避難場所の確認を行う事が肝心です。まずは、自分に出来る事から始める事が大事ですが、次に災害復旧に向けた取り組みの支援が必要であり、きっちりとした災害対策マニュアルの作成(企業や団体)が必要となります。
 今日まで、地震による災害が多く発生しており、多くの被害が出ております。起きた事への迅速な対応と、より多くの方の支援があってこそ、早期の復旧・復興へと繋がっていきます。
 誰かがやるだろう、国がやるんじゃない? それは、自分達に置き換えてみると如何でしょうか?

◆問題が累積する今 一人の参加が全体の利益になる
 さて、私たちが組織している労働組合も同じ事が言えます。一人でも多くの組合員の参加が、私たちの綱領実現に繋がります。しかし、今、正社員においてはある程度の労働条件の中、何もしなくても賃金をはじめ、各種の労働条件は向上するものと勘違いしている人もいるのでは?
 お任せ組合運動的な考え方が、ややもすれば見受けられる時があります。今があるのは、過去の取り組みの成果である事は言うまでもなく、今行っている事がすぐさま結果に結びつく訳でもありません。何年も同じ事を繰り返してる様にも見えます。
 私たちが求めている事は、個別の利益ではなく、様々な社会の不条理に対し正していく事であり、結果全体の利益に結び付ける事だと考えます。日頃、幾度となく言葉にしていますが、何のために労働組合が作られたのか? 組合だけでなく、何のために共済制度や健康保険制度等々があるのでしょうか? 答えは、一人では出来ない事をこの制度を使って自分も含め、この制度に参加するもの同士が助けられる事を求めているのです。私たちの先輩がそんな想いを込めて作った労働組合が、単組だけでは解決出来ない問題を他の単組へ相談し、同じ悩みを抱える者同士でグループを作り、それが産別組織となった訳です。勿論、産別だけでは到底解決出来ない問題も多々ある訳ですので、その為に連合が発足したのも言うまでもありません。
 今日、それでも解決出来ない問題が山積しています。累積している社会問題を自分達の問題と捉えず、見て見ぬふりをしている労働者あるいは、労働組合組織があっても参加しない(未加入)組織があります。もちろん、様々な理由がある訳ですが、この人達に「労働組合は必要ですか?」との問いかけに対しては「必要だ。」と言います。
 なぜ加入しないのですか? との問い掛けには、「暇がない。」とか「加入費(お金)が勿体ない。」、「私には関係無い。」等々の理由が挙げられます。
 また、「必要で無い。」と答える人もいます。理由としては、「賃金も毎年上がっているし生活に問題ない。」とか、「加入しても何も変わらない。」等々の理由があります。

◆社会への責任を果たしていく
 私たちは労働組合で組織している連合加盟の全ての労働者の声を聞いても全労働者の17%程度に過ぎません。まして、フード連合では10万5千人の組織ですから尚更の事であります。私たちは、残りの(未加盟あるいは、組織されていない)80%以上の労働者の賃金を始めとした働く環境作りへの責任を担っている事を忘れてはいけないと思います。間もなく2017春闘要求について、各単組で議論がなされる事と思います。大手、中小全ての組合が社会参画の強化・共助・支援を行い、社会への責任を果たして参りましょう!

◆取り組みを通じて「とりこむ」年に
 今年の干支は酉です。縁起が良く、労働組合は、組織拡大に! 賃金拡大に! 企業にとっても収益拡大に! 働く環境の改善に! 全て「とりこむ」年です。
 共にがんばりましょう!今年も宜しくお願い致します。