フード連合2017春闘討論集会を開催  キャッチアップ春闘〜いまこそ!食品関連産業における「働き方・処遇の在り方」を見直し、相対的かつ総合的な「格差縮小」に取り組む〜1226日)
2017春闘方針についての全体提起を聞く参加者
フード連合は、2016年11月28日〜29日にホテル華の湯で「2017フード連合春闘討論集会」を開催し、87単組約242名と過去最高の参加者数にて2017春季生活闘争方針(素案)の提起に対して積極的な討論を行いました。
1日目の主催者挨拶で松谷会長は、まず、雇用情勢は非正規労働者を含めた人材不足の深刻化や、日本の全産業内における食料品製造業の賃金水準が低位にあることなど、食品産業の置かれている状況について説明がありました。次に、これまでの春闘における成果と課題について、3年にわたり継続してきたベースアップ春闘である2014春闘から2016春闘まで、各年のテーマとそれに沿った取り組みの評価および取り組みから見えた課題を述べられました。そして最後に、2017春闘のポイント、とりわけ組織化を含めた非正規労働者の取り組みの必要性について強調しました。
基調講演では、公益財団法人日本労働文化財団連帯社会研究交流センターより鈴木不二一氏をお招きし、「今日的な賃金の課題〜賃金の歴史と社会性〜」をテーマに、歴史から見る今日的な人事・賃金制度の課題や政府の動き、とりわけ安倍政権がすすめる「同一労働同一賃金」の議論への警鐘を鳴らす視点、また、春闘における共闘の意義や交渉の条件である調査の必要性についてもご講演いただきました。
その後、五野労働局長から、「2017春季生活闘争方針(素案)」について、まずは「これまでの春闘総括」とそれらを踏まえた「2017春季生活闘争方針(素案)」のポイントについて説明がありました。その後、具体的要求基準と、要求に至った補足説明を行いました。「2017春闘は、『キャッチアップ春闘〜いまこそ!食品関連産業における「働き方・処遇の在り方」を見直し、相対的かつ総合的な「格差縮小」に取り組む〜』をテーマとし、内需型の中小企業が多いフード連合(食品関連産業)にとって、経済の自立的成長のための『賃金上昇』や、雇用環境の変化に対応する『労働条件向上』の必要性に迫られている現在の環境は、これまで開いてしまった『様々な格差』を縮める(追いつく)ための『千載一遇のチャンス』と捉えるべき春闘である」という方針(素案)の提起を行いました。

各分散会に分かれ2日間にわたって2017春闘方針について討議を行いました
そして、その後分散会形式にて13班に分かれて、1日目と2日目を合わせて約3時間に渡り討論を行いました。内容としては、@2017春闘を取り巻く環境について、A2017春闘方針(素案)の基本的な考え方・ポイントについて、B2017春闘にて成果を獲得するためには?、Cその他、2017春闘全般を通して、熱心かつ積極的な討論を行いました。
その後の全体集会では、代表して6つの班に発表を頂きました。とりわけ、発表者からは、「賃金引き上げの必要性については理解をしている。親企業や同地域間他社との賃金格差、業績や世間相場の流れによってこれまでの賃上げ相場が決まっていたという事実がある中で、今春闘のテーマである格差縮小に向けた取り組みをさらに進めていかなければならない」という決意表明がされました。
全体集会後に集会のまとめとして、山本事務局長より、「人材確保の困難さという状況や課題について、全体講演や分散会議論の中で概ね共有をはかれたと考えている。また、現状認識として、食品製造業の賃金水準が低位にあり目線を下げずに取り組みを継続しなければならない事や、これまで継続してきた春闘の取り組みが定着し、今春闘でのベア要求の必要性に対して大きな異論はないものと捉えている。また、フード連合2017春闘方針でのブラッシュアップポイントは@未組織も含めた非正規労働者への取り組み、A働き方見直しの2点であり、これらについては春闘を機会とし年間を通じて労使協議し取り組むべき課題である。」と訴え、討論集会を終了しました。