元島民の故郷への想いをつなぐために 〜「ピースアクションin根室」(2016.9.10〜11)〜 926日)
1日目は「連合2016北方四島学習会」に参加(会場前にて)
北方領土が旧ソビエト連邦に不法占拠されて、今年で71年が経過しました。
元島民の平均年齢が80才を超えるなか、領土返還に向けての道筋はまだまだ不透明です。
フード連合は、平和を考える行動の一環として、「ピースアクションin根室」を毎年開催し、戦争を体験した世代が少なくなっていく中、現地で直接ふれることで平和を考える取り組みを行っています。
 今年も連合「2016平和行動in根室」にあわせ、9月10日(土)〜11日(日)に開催し、事務局を含む8単組44名が参加しました。

第1日目(9月10日)は、「連合2016北方四島学習会」(北海道立北方四島交流センター ニ・ホ・ロ)に参加しました。
 学習会は、第1部として映画「ジョバンニの島」の上映があり、第二部は@「次代へ受け継ぐ平和への歩み」(択捉島出身:鈴木 咲子 氏、元島民二世:本田 幹子 氏、立命館慶祥高校:佐藤 花氏)A「北方四島の今を知ろう」(北方領土返還要求運動連絡協議会 事務局長:児玉 泰子 氏)、B「行き詰まる日ロ交渉、打開の道は」(日本放送協会 解説委員:石川 一洋 氏)、C「北方四島の自然と諸問題」(北の海の動物センター 理事:本間 浩昭 氏)の各セミナーに分かれ、北方領土への理解を深めました。

2日目は「連合2016平和ノサップ集会」に参加
第2日目(9月11日)は「連合2016平和ノサップ集会」(納沙布岬:望郷の岬公園)に参加し、連合全体で北方四島の一括返還が実現するまで北方領土問題に粘り強く取り組んでいくことを確認しました。当日は天候に恵まれ3.7km先の歯舞群島や国後島の山影をはっきりと見ることができ、参加者全員が返還運動への気持ちを新たにしました。

集会終了後、「ねむろ水産フェスタ」(協力:根室市歯舞漁協等)に参加し、さんま、てっぽう汁など地元の新鮮な海の幸を堪能しながら、参加者間の交流を深めました
2016年の「ピースアクション」は、今回の根室で幕を閉じました。そして、「平和への思い」は、2017年6月の沖縄へと続いていきます。
6月沖縄、8月広島・長崎、9月の根室で、「平和への思い」を語り合い、そして、未来へと伝えていきましょう。

参加者の感想

「2016ピースアクションin根室に参加して」
全日本たばこ産業労働組合 東海支部 岡崎分会 霜鳥加奈

Photo

 恥ずかしながら今回のピースアクションに参加させていただくまで、北方領土といえば、学生の頃に授業で学んだな、といったような認識しかなく、知識もうろ覚え状態でした。
 実際に根室に赴き、ロシア語が至る所に表記されているのを見た時も、なぜ返還を目指しているのに町にロシア語が溢れているのだろう、と不思議に思うばかりでした。しかし学習会の中で、かつての島民の方のお話を聞き、「なるほど」と強く胸を打たれました。当時抱いていた、憎しみや怒りは無くならないものの、70年における交流を通して、「日本を知ってもらうと同時にロシアのことも知ろう」という、歩み寄る気持ちが生まれてきた形ということでした。
 このような声は、その土地に行かないと分からないことであり、教科書の1ページにはとても収まらない貴重な情報だと思います。この得難い体験を周りにも広めていきたいと思います。