「わずか71年前、ここは戦場だった」 〜基地問題に揺れる沖縄 まだ戦争は終わっていない〜 ピースアクションin沖縄2016.6.21〜23629日)
沖縄基地問題について講話をするダグラス・ラミス氏
 沖縄は、太平洋戦争の折、日本で唯一住民を巻き込む地上戦があった地です。日米両軍兵士だけではなく、民間人が戦闘に巻き込まれ、多くの尊い命が失われました。
 フード連合では、平和を考えるための行動「ピースアクションin沖縄」を毎年開催しています。今年は全国から64名(15単組)が参加しました。
 1日目「平和を考える学習会」では、「標的の村」と題した沖縄基地問題に関するビデオを見て、その実相を学びました。
 続いて、元・米軍海兵隊員で政治学者のダグラス・ラミスさんから「沖縄の基地問題について」の講話を聞きました。
  講話の中では、日本にある米軍基地施設の74%が沖縄にあるという不平等さの例えとして「沖縄の人口は日本の1%、日本の人口を100人としたら、沖縄はそのうちの1人。そのなかで10万円の食事会を開催した。支払額を沖縄75%・他25%とすることを過半数以上の賛成で決めた。その場合、沖縄は1人で75人分(7万5千円)を払うことになり、残りの25人分は99人で分配し1人262円。比較すると7万5千円と262円と大きな違いがあり、沖縄にある米軍基地施設にはそれぐらいの不平等がある」と説明し、日本にある米軍基地はどうあるべきか、日本の安全保障はどうあるべきか、我々日本人全体が沖縄の基地問題について、沖縄だけに押し付けるのではなく“自分たちの問題”として認識し、正しく向き合うことの必要性について話しをされました。

2016ピースアクションin沖縄に参加した全員が沖縄の過去と現在を見聞し、未来に向けて平和の尊さとは何かを学んだ
 2日目は、平和ガイドの本村文代さん・本村光雄さんのガイドで、71年前激戦地であった南部戦跡(ひめゆりの塔、ひめゆり平和祈念資料館、ひめゆり学徒の最後の自決地「荒崎海岸」、糸数壕(アブチラガマ)、平和祈念公園、平和の礎、嘉数高台)を歩き、過去の追体験をしました。
 3日目は、連合主催「連合2016平和オキナワ集会」に参加しました。集会では、「語り部から学ぶ次世代への継承と沖縄の現状」をテーマとし崎原真弓さんの歌や一人語りを交えた講演後、平和式典が開催されました。フード連合からの参加者を含め、地元沖縄県のみならず全国から1,000名を超える人々が参加し、平和を祈念しました。
 「ピースアクション」は、8月の広島、長崎、9月の根室へと続きます。

参加者の感想

「ピースアクションin沖縄に参加して」
明治労働組合 倉林暁夫

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 スキューバダイビングという趣味を通じ、沖縄へは何度も訪れた事がありましたが、戦争に触れたのは今回が初めてでした。勿論、沖縄は激戦地であり、多くの命が犠牲になった事は知っています。しかし、戦争の事について触れない様、わざと目を背けていました。何度も訪れるうちに、胸の奥に引っかかるものがだんだんと大きくなり、今回、意を決して参加させて頂きました。
 ピースアクションでは、語り部の方の話を聞き、資料館や戦地を訪れ、実際のガマに入る等、生々し体験をすることにより戦争の恐ろしさを擬似体験し、戦後70年を過ぎた今でもPTSDで苦しむ人が沢山いる事実を知りました。
 普段東京にいる私は、戦争は過去の出来事を感じていましたが、これらの体験をすることにより、沖縄の人々が「戦争はまだ終わっていない」という事の意味を理解することが出来ました。
 これからは、今までの私の様に目を背けている人々へ、戦争について「過去の事実」と「今」に対ししっかり向き合う様促すことにより、戦争が二度と起こらぬ様、そして今なお抱えている問題が少しでも解決に向かう様、働きかけて行きたいと思います。