フード連合2016春闘討論集会を開催〜『正念場』かつ大きな『転換点』である春闘に対し、『オール・フォー・ワン』で取り組む!〜129日)
過去最高参加者数にて2日間にわたり2016春闘についての熱い議論を交わしました
 フード連合は、2015年11月25日〜26日に熱海後楽園ホテルで「2016フード連合春闘討論集会」を開催し、89単組約239名が参加して2016春季生活闘争方針(素案)の提起に対して積極的な討論を行いました。
 1日目の主催者挨拶で松谷会長は、「企業間格差・雇用形態間格差などの拡大の実態につい2014、2015春闘で浮彫になった課題を共有し、2016春闘での格差是正の取り組みとして、まずは『オール・フォー・ワン春闘』という基本精神の認識合わせが必要である。とりわけ人材不足が深刻化している中では労使交渉により、組合員の労働条件向上ひいては企業価値を上げるための方策についてしっかりと議論していただきたい。」と強調しました。
 基調講演@では法政大学経済学部教授である竹田茂夫氏から、「2016春季生活闘争を取巻く経済情勢」をテーマに、安倍政権の方針により山積している課題で疲弊化した日本経済・国内情勢を、労働組合・社会運動の視点からの新しい考え方や方針を打ち出していく必要性がある」ということを、幅広いデータや論理を用い、ご講演を頂きました。
 基調講演Aでは連合総合労働局長である須田孝氏から、「2016春闘の基本的な考え方・最低賃金の取り組み」をテーマに「今春闘における連合の立場での想いとして、真価が問われる春闘における『格差是正』や『賃金の底支え』への必要性と、底上げに関連した取り組みとしての最低賃金の重要性と課題」についてご講演を頂きました。
 その後、五野労働局長から、「2016春季生活闘争方針(素案)」について、まずは「2014春闘で浮き彫りになった課題とその対応・2015春闘で浮彫になった課題」と、その課題に対する「2016春闘のテーマ・ポイント」」について説明がありました。その後、具体的要求基準と、要求に至った補足説明を行いました。「2016春闘は、『正念場』かつ大きな『転換点』である春闘に対し、『オール・フォー・ワン』で取り組む、をテーマとし、安定的かつ継続的な賃上げを求める春闘3年目において、経済状況がおぼつかない環境下での真価が問われる春闘であること、また、自社交渉の結果を波及させるという従来のトリクルダウン型春闘および積み上げ式の要求根拠という構造からの脱却が求められる春闘であること、そして、全ての組合・働く者・取り組みがひとり(中小労働者・非正規労働者・個々人)もしくはひとつ(格差是正・成果獲得)のために結集すべく、格差是正に向けた『3つのルーティン』に取り組む」という方針(素案)の提起を行いました。

分散会全体発表にて発表者より今春闘における力強い決意表明をいただきました
 そして、その後は昨年に引き続き分散会形式にて13班に分かれて、1日目と2日目を合わせて約3時間に渡り、討論を行いました。内容としては、@2016春闘を取り巻く環境について、A2016春闘方針(素案)の基本的な考え方・ポイントについて、B成果(賃上げ・格差是正)を獲得するためには?、Cその他、2016春闘の取り組み全般について、熱心かつ積極的な討論を行いました。
 その後の全体集会では、代表して6つの班に発表を頂きました。とりわけ、中小労働組合の発表においては、「『格差是正』の取り組みに重点を置く今春闘においては、ナショナルセンター、産別、大手単組、中小単組それぞれのポジションからの役割について果たすことが求められており、自単組にて、安定的かつ継続的な要求・そして成果獲得に向けた議論を展開していきたい」という共闘への支援要請の意見や決意表明がされました。
 全体集会後に討論集会のまとめとして、山本事務局長より、「様々な意見はあるものの、継続した春闘の取り組みに対し、労働界が一枚岩になることの必要性については共通の認識がはかれたと思う。フード連合としても、各単組が成果を勝ち取るための支援策として、中小支援に向けた体制などを検討していく。連合に集う仲間として働くことを軸とする安心社会を実現するためには何が必要かということに思いをはせながら皆さんとともに道を切り開きたい。」と訴え、討論集会を終了しました。