「戦後70年、未来につなぐ平和への想い 〜今も続く北方領土問題〜」―ピースアクションin根室 2015.9.12〜13―918日)
フード連合からは、全国から11単組37名が参加し、平和への思いを強くしました
 フード連合は、平和を考える行動の一環として、「ピースアクションin根室」を毎年開催し、戦争を体験した世代が少なくなっていく中、現地で直接ふれることで平和を考える取り組みを行っています。
 今年は戦後70年の節目の年、連合「2015平和行動in根室」にあわせ、9月12日(土)〜13日(日)に開催し、事務局を含む11単組37名が参加しました。

 北方領土とは、ご存知の通り、択捉、国後、色丹、歯舞群島の四島をさし、現在、ロシアの実効支配下にあります(ロシア名:南クリル諸島)。
 開催地の根室市には、ロシア語を併記した交通標識や、案内掲示板なども見られ、ロシアを感じ取ることができます。しかし、近年は新クリル発展計画に基づく島内のインフラ整備が急激に進み、今年の7月に北方領土と周辺地域を経済特区とし、海外からの投資も視野に入れた「先行発展地域」の開発を継続する意図が明確になりました。8月にはメドベージェフ大統領が択捉島を強行訪問し、軍事力強化などの方針も表明しているなど、日ロ間には様々な課題が山積しており、まだまだ、ロシアは「近くて遠い国」というのが現状だと改めて実感します。

第1日目、日本放送協会 解説委員:石川 一洋 氏による分科会講演の様子

 第1日目(9月12日)は、「連合2015北方四島学習会」(北海道立北方四島交流センター ニ・ホ・ロ)に参加しました。
 学習会は、@「次代へ受け継ぐ平和への歩み 〜『ジョバンニの島』に込められた想い〜」(色丹島出身:得能 宏 氏、択捉島出身:鈴木 咲子 氏、元島民二世:堀江 則男 氏)、A「北方四島の今を知ろう」(北方領土返還要求運動連絡協議会 事務局長:児玉 泰子 氏)、B「行き詰まる日ロ交渉、打開の道は」(日本放送協会 解説委員:石川 一洋 氏)、C「北方四島の自然と諸問題」(北の海の動物センター 理事:本間 浩昭 氏)の各セミナーに分かれ、北方領土への理解を深めました。

第2日目、連合「2015平和ノサップ集会」に参加

 第2日目(9月13日)は「連合2015平和ノサップ集会」(納沙布岬:望郷の岬公園)に参加し、連合全体で北方四島の一括返還が実現するまで北方領土問題に粘り強く取り組んでいくことを確認しました。
 当日はあいにくの濃霧で、僅か3.7km先の歯舞群島や国後島の山影を見ることができませんでしたが、参加者全員が返還運動への気持ちを新たにしました。
 集会終了後、「ねむろ水産フェスタ」(協力:根室市歯舞漁協等)に参加し、さんま、てっぽう汁など地元の新鮮な海の幸を堪能しながら、参加者間の交流を深めました。

 2015年の「ピースアクション」は、今回の根室で幕を閉じました。そして、「平和への思い」は、2016年6月の沖縄へと続いていきます。

 2015年、日本は戦後70年を迎えました。
 「戦後日本」は今、大きな試練の中にあります。直近の関東・東北地方における水害、震災・原発事故からの復興、低迷する経済、領土問題などで混迷する外交・・・。
 そんな日本の情勢と、戦争体験者が少なくなっていく現状を踏まえながら、6月の沖縄、8月の広島・長崎、9月の根室で、「平和への思い」を語り合い、そして未来へと、確実に伝えていきましょう。


参加者の感想

「ピースアクションin根室に参加して」
伊藤ハム労働組合 副委員長 源 匡博

 9月12・13日(土・日)、フード連合「ピースアクションin根室」に参加しました。
 12日(土)に開催された「北方四島学習会」では、戦後におけるソ連軍による北方領土への侵攻、強制的な追い出し、不法占拠までをアニメーション化した「ジョバンニの島」を鑑賞し、その後の返還運動関係者セミナーに参加しました。そこでは、強制送還されるまでの悲惨さや苦しみがあり、そんな中でもロシア人との親交もあり、今後の北方四島返還について考えさせられました。
 又、13日(日)には、納沙布岬・望郷の岬公園にて開催された連合主催の「2015平和ノサップ集会」に参加しました。その中で、ある議員が「北方領土は日本固有の領土であり、その島を取り返すことで海が戻り、海が戻れば漁業産業が栄え、雇用が生まれ、生活が豊かになり、安定した生活を送ることが出来るようになる」と言われていました。戦後70年が経過し、故郷に帰りたい、北方四島の返還を、と叫び続けてきた元島民の方々が減少してきている中で、まずは日露平和条約の締結、そして返還に向けた取り組みを早急に取り組まなければならず、そのためにも我々がこの平和運動を広めていかなければならないと感じました。