戦後70年、「沖縄戦はまだ終わっていない、今も続く基地問題」ピースアクションin沖縄 2015.6.21〜23 (7月15日)
小那覇記者の講演を聞きながら、沖縄戦と
基地問題について学ぶ参加者
 沖縄は、太平洋戦争の折、日本で唯一住民を巻き込む地上戦があった地です。日米両軍兵士だけではなく、民間人が戦闘に巻き込まれ、多くの尊い命が失われました。
 フード連合では、平和を考えるための行動「ピースアクションin沖縄」を毎年開催しています。今年は全国から53名(14単組)が参加しました。
 1日目「平和を考える学習会」では、「標的の村」と題した沖縄基地問題に関するビデオを見て、その実相を学びました。続いて、琉球新報記者・小那覇安剛さんから「沖縄戦の特徴と辺野古をめぐる動き」の講演を聞きました。
 講演の中で、沖縄戦について、@「本土決戦」を遅らせるための「捨て石作戦」であったこと、A軍隊は住民を守らなかったこと、B「友軍」による住民犠牲もあったこと、C住民の犠牲者数が兵士の戦死者数を上回ったことが特徴であると話されました。特に、沖縄本島南部では住民の犠牲が相次いだこととともに、本島以外でも犠牲者が存在していることは忘れてはならないと強調しました。
 また、参加者それぞれが、普天間飛行場返還・移設問題、オスプレイ配備問題、沖縄の基地問題と、住民を巻き込んだ沖縄戦の歴史に正しく向き合うことの必要性について理解を深めることができました。

2015ピースアクションin沖縄に参加した全員が沖縄の
歴史と現在も続く基地問題を見聞し、平和の尊さとは
何かを学んだ
 2日目は、平和ガイドの本村文代さん・本村光雄さんのガイドで、70年前激戦地であった南部戦跡・糸数壕(アブチラガマ)、平和祈念公園、平和の礎、平和祈念資料館、ひめゆりの塔、ひめゆり平和祈念資料館、魂魄の塔、ひめゆり学徒の最後の自決地「荒崎海岸」を歩き、過去の追体験をしました。
 3日目は、連合主催「連合2015平和オキナワ集会」に参加しました。集会では、「これからの平和運動と次世代への警鐘を考える」をテーマとしたパネルディスカッション、平和式典が開催されました。フード連合からの参加者を含め、地元沖縄県のみならず全国から1,300名を超える人々が参加し、平和を祈念しました。
 「ピースアクション」は、8月の広島、長崎、9月の根室へと続きます。

〜参加者の感想〜
 「ピースアクションin沖縄に参加して」
 サッポロビール労働組合 倉本 まゆみ さん

 これまで観光目的でしか訪れたことのなかった沖縄ですが、戦後70年という大切な節目の年に平和を学ぶという目的で参加させていただいたことで、これまでと全く異なる見え方のする沖縄を感じることができました。
 「沖縄戦はまだ終わっていない」という現地の方の言葉が最も胸に刺さり、基地の移設問題やオスプレイ問題に日々翻弄される沖縄の方々の苦しみは、戦後70年という月日が経っても今も尚、続いているという事実に衝撃を受けました。
 この事実を、決して沖縄県民だけの問題とすることなく、私たち一人一人が「戦争は過去のこと」ではなく、「今も尚、起こっていること」と真摯に捉え、向き合う姿勢が必要であると感じました。
 また戦時中は、夢を叶えることなく、自ら死を選ぶことが最も自分が楽になる唯一の方法であった時代であったという悲惨な事実をお聞きし、夢を追い、今を精一杯生きることのできる環境に感謝の気持ちを忘れてはいけないと身が引き締まる思いでした。
 戦争の事実が決して風化されることなく、今を生きる私たちが平和について真摯に向き合い、後世に語り継いでいくことが重要であると強く感じます。