東北の復興再生を願い、大手主要組合会議を開催614日)
福島の地で東北の復興再生を願い、2011年度第2回大手・主要組合会議を開催した
 フード連合は、東日本大震災からの復興再生に貢献するため2011年度第2回大手主要組合会議を福島の地で開催しました。
 本部役員、大手・主要組合代表者、地元福島で震災の被害に遭いながらも復興に向け労使で取り組んでいる柏屋労組と内池醸造労組の両委員長も参加しました。

 会議に先立ち、特別講演として「福島の復興再生に向けて」と題し、復興庁政策参与(兼統括官付審議官)の鉢村健氏を招き、講演会が行われました。
 明治維新後の福島県成立における歴史的背景や地域間の文化風土の違い、震災前からあった福島県の課題などの話や、復興に向けては、7つの経済圏である各地域の産業構造に対応した復興計画に触れ、地震・津波・原発・風評・水害など県内全域の被災状況を認識した対応の必要性について等の講演を受けました。
 講演後は柏屋労組・武田委員長と内池醸造労組・伊藤委員長から震災、そして原発事故以降の福島の状況について経験談を聞きました。

福島の復興再生について講演する復興庁政策参与(兼統括官付審議官)・鉢村健氏
 会議は、江森会長の挨拶で始まり、続いて、意見交換事項としてフード連合第四次組織拡大実行計画の「取り組み報告」について山田組織・中小局長より報告を行いました。さらに、次年度に向けたフード連合全体での組織拡大に向けた取り組みの補強策や考え方を松谷会長代行から提起しました。そして、参加した単組から組織拡大の取り組み状況を報告、情報共有し、合わせて単組からの要望などの意見交換を図りました。
 続いて、2012春季生活闘争まとめに向けて「2012春季生活闘争まとめ(素案)」を山本事務局長から説明しました。
 報告事項としてフード連合結成10周年記念行事関連、第11回定期大会、書籍の出版、2012年度年間活動日程(案)などを山本事務局長より報告し、協力を要請しました。

キリンビール(株)仙台工場における東日本大震災からの復興再生の経緯について説明する小倉総務担当部長兼広報部長
 翌日の6月7日(木)に被災地復興状況視察を目的に、テレビや新聞などで大きく報じられたキリンビール(株)仙台工場の見学と仙台市沿岸部の視察を行いました。
 初めに、東日本大震災からの工場の復興の経緯などについてキリンビール(株)・小倉仙台工場総務担当部長兼広報部長(前キリンビール労組・委員長)から説明を受けてから福島の地から仙台へと向かいました。
 仙台市の若林区にあるキリンビール(株)仙台工場では、キリンビール労組仙台工場支部・加藤副委員長による震災後の復興に向けた話を聞くことができました。加藤副委員長は話の中で「皆さんが工場を見てもらって、普通だなとか、震災の影響があったとは思えないなとか思ってもらえたら、それは私たち従業員の勝利と言えます」と話したことが印象的でした。
 実際、加藤副委員長の話を聞いた後に行った工場見学では、外観も工場見学で見た各施設もその様子からは津波が押し寄せ、甚大な被害が発生したとは思えないほどの状態にありました。仙台工場におけるこの復興した様子は、従業員の皆さんの復興に向けた努力の証だと視察参加者は思ったはずです。福島から仙台への移動の車中で仙台市沿岸部の被害の甚大さを目の当たりにした後だけに一層そう感じた参加者も多かったと思います。

津波の爪痕は1年以上が経過した今でも被災地に残っている
 震災発生から1年以上が経過し、原発再稼働の是非やこの夏の電力需要の問題などの話題が中心になり、被災地で暮らす人々の暮らし、地域復興の取り組み、そして被災者支援等の話題はすっかり聞くことは少なりました。
 この視察参加者は、地震と大津波による被害がどれだけのものであったかを改めて実感することができたと思います。そして、震災・津波の被害から復興に向けがんばっている被災地の皆さんのことを忘れることなく、労働組合の社会的役割を認識し、労働組合として被災地支援を継続して行っていく必要性を強く感じることができたはずです。
 (文責:組織・中小局長 山田 毅)