2012フード連合春闘討論集会を開催〜賃上げによって内需拡大〜125日)
2012フード連合春闘討論集会を開催
 フード連合は、2011年12月2〜3日に熱海後楽園ホテルで「2012フード連合春闘討論集会」を開催し、過去最高の約200名が参加して「2012春季生活闘争方針(素案)」の提起に対して積極的な討論を行いました。
 一日目の主催者挨拶で江森会長は、「すべての労働者を対象に組織拡大をしていく必要がある。そして、春闘では共闘が重要であり、情報の開示を進めていかなければならない」と強調しました。また、TPPについては、米国と事前協議をすれば、具体的な要求が出てくるので、「政府がどう対応するのかを含めて情報をオープンにして、国民的議論をする必要がある」と訴えました。
 次に富士通総研のエグゼクティブフェローの根津利三郎氏から、「大震災後の日本経済雇用と賃金」について講演を頂き、世界経済と円高の実態や、「大震災後の日本経済を立て直すためには、デフレ、円高、賃金カットの悪循環を断ち切らなければならない。そのためには、生産性に見合った賃金を確保することが必要であり、そうすることで内需の掘り起こしが可能となる」という「賃上げの必要性」について理解を深めました。
 その後、栗田労働局長から、「2012春季生活闘争方針(素案)」の提起があり、「賃金をはじめとする労働条件の低下は著しく、特に賃金は1997年をピークとすると4%程度低下し、さらに所得の二極化が進んでいる。この間、低下した賃金をはじめとする労働条件や格差是正に取り組む必要があり、マクロ的な観点から、1%を目安にパート等を含めたすべての労働者の賃金(ベア・改善原資含む)をはじめとする労働諸条件の適正な配分を求めていく。そして、2013年からの公的年金受給空白期間への対応を、協約改定闘争として位置づけ特別課題として今次春闘で取り組む」方針を掲げました。

「春闘方針(素案)」を提起する栗田労働局長
 そして、今年は分散会を二日間に分けて行いました。11分散会に分かれて、一日目の「フード連合2012春季生活闘争方針(素案)」の提起や講演等を踏まえて、2012春闘で提起された具体的要求課題案や、公的年金受給空白期間への対応(特別課題)等について積極的な討論が行なわれました。
 二日目は、敷島スターチ労働組合の岩崎前委員長と、伊藤中部・関西ブロック局長から、昨年の「中小労組支援センター」の取り組みの成果を紹介し、今後も中小組合の要求・交渉・妥結までの支援を行うこととしました。
 そして、機械金属産業の産業別労働組合であるJAMの木住野組織・調査副グループ長を招いて、「JAMにおける2013年公的年金空白期間への対応」についてのご講演を頂き、高齢者の生活維持と賃金・処遇問題に対する理解を深めました。
 分散会後に討論集会のまとめとして、山本事務局長は、春闘の統一要求課題は、これまで以上に単組にとって取り組みやすい内容であるとの声が多かったことに触れ、今後の春闘の要求をつくるにあたって、組織内で議論していただきたいということとともに、「春闘時のパート労働者の条件改善と一体で非正規労働者の組織化に取り組む必要がある」と訴え、討論集会を終了しました。