渡邉会長、被災地域中小労組を激励。
―改めて中小支援を確認―46日)
 4月5日、6日、フード連合は、渡邉会長、山本副事務局長、古山北海道東北ブロック局長3名で、東日本大震災で被害の大きかった柏屋労組、東北協同乳業労組、内池醸造労組(以上福島)、宮城ゼライス労組、東北森永乳業労組(以上宮城)、加えて被災地、宮城地区協議会の加茂議長(サッポロビール労組)、立花事務局長(キリンビール労組)について震災見舞いを行った。

(柏屋労組にて)
【復旧図るも道半ば(福島)】
 5日、福島地区協議会顧問である飛田郡山市議会議員(コマツ醤油労組出身)の車で単組を訪問。それぞれ、地震直後の被災より復旧がされており、平常時の6割から8割の稼働状況にはなっている。しかしながら、原発事故が今後どのように影響してくるか不透明な部分が多く、労使とも不安を隠しきれない。
 特に現状が改善されないと雇用にも手をつけなくてはならない状況にある単組もあり、産別としての適切な指導が要望された。

(宮城ゼライス労組にて)
【未だインフラの復旧が見込めない中、懸命の復旧作業が続く(宮城)】
 6日、郡山よりレンタカーを借り、一路仙台、多賀城へ。東北自動車道から仙台東部道路へ入る頃から景色は一変し、津波によってもたらされた土砂やガレキが散乱し、未だ水が引かない農地が一面に広がる。
 仙台港北インターを降りた時、私たち3人は声を失った。3月11日からもうすぐ1ヶ月が来ようとしているのに店舗や工場の周りには津波が運んだ自動車が横倒しになり、信号もところどころに点灯せず警官が誘導している。
 お見舞いに行った先々では「これでも相当片付いた状況。」と説明されるが、では震災当時は?今回の津波のすごさをそのたびごとに見せつけられる一方で、道路一つ、橋一つで津波の被害を受けずに今まで通りの生活をしている地域があり、天災の理不尽さ、今回の震災が津波による打撃であることを認識した。

(土砂に埋もれた農地)
(未だ撤去されず歩道に散乱したままの車)
【困難な状況でも1歩前へ】
 ともすれば立ちすくむ状況にある各単組は、様々な問題に震災直後から対応している。雇用の確保を前提にいち早く会社と協議を行った組合、被災された組合員の住居の問題を取り上げ、会社に用意するよう申し入れた組合。相互に情報が取れない中、携帯で情報を発信し続けた組合。
 しかし、不透明な状況の中、1単組としてやりきれることには限界があり、産別に期待することが多いのも事実。
 生産活動が停止している状況で今後の給与の支払いをどうしていくか。雇用の確保はいつまで続けられるのか、不安は尽きない。
 厳しい環境にもかかわらず「僕は明るいのだけが取り柄だから。」と笑って対応してくれた委員長の言葉が、私たち産別への期待と責任の重大さをひしひしと感じさせ、早急な今後の支援策の必要性を再認識しながら被災地をあとにした。

(北海道・東北ブロック 古山寿幸)