年頭挨拶 渡邉会長11日)
フード連合に集う組合員・ご家族のみなさま、新年あけましておめでとうございます。
年頭に当たり、本年がみなさまにとりまして幸多き年となりますよう、ご祈念申し上げる次第です。
 さて、わが国経済はデフレ基調から未だ脱却できずにおり、国民生活全体に先行き不安感が漂っています。国民が安心できるような政府による医療・年金制度をはじめとする、福祉の将来ビジョン像が示されることを是非とものぞみたいところです。昨年は政治的にも混迷の度を深め、外交・安全保障問題をはじめとして民主党政権に対する信頼が揺らいだ一年でありました。民主党に大きく期待した私たち労働組合としては、今年が再生の年となるよう苦言を呈すべきときはしっかり言いつつも、4月に行われる統一地方選挙などではきちんと支持をしていきたいと考えます。
 こうしたなかで、食品産業を巡る状況も大きく変化しようとしています。その変化の要因のひとつに人口の減少化の影響があります。このことによって大手企業では、市場を海外とりわけアジア周辺に積極的に求め出していますし、事業統合も加速されています。一方、中小・地場企業においては倒産・事業撤退が進み、淘汰の時代に入ろうとしています。労働組合としては、透徹した目でこうした事態を分析し、労使協議の徹底や対応策の模索を図る必要があります。また、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)への参加に関わる問題が急浮上し、食品産業さらにはわが国農林水産業への深刻な打撃が危惧されています。フード連合としては当事者としてのみならず、わが国の食料安全保障上の重大問題との認識のもとに対処していきたいと考えます。
 さて2011春季生活闘争が始動しております。フード連合は、今春闘を「格差是正」を主眼とし、特に賃金水準の低いあるいは賃金制度が整備されていない中小労組の底上げを図る取り組みを重視していきます。また、賃金水準が目標とするレベルに到達している大手組合にあっては、パートタイマーなどの非正規労働者の時給増や処遇改善・最低賃金の協定化に必ず取り組むこととしています。株主や経営役員層ばかりが厚遇されるなかで、私たち労働者の給与収入は減り続けています。働く者の生活向上なくして社会に活気を取り戻すことはできません。
 今春闘が反転攻勢の第一歩となるよう、力をひとつにしてがんばっていきましょう。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。