消費者が食品労使に求めること〜消費者の視点から〜 (7月26日) | ||
全国消費者団体連絡会(消団連)の阿南事務局長から、“消費者が食品労使に求めること〜消費者の視点から〜”というテーマで、7月26日(月)、中央執行委員会の前段にご講演頂きました。 阿南事務局長は、長年消費者運動に携わり、現在は消費者代表として、政府の審議会や委員会に関わり、また全国各地で講演活動を行うなど、精力的に活動されています。食品関連産業の労働組合である私達にとって、今回の、消費者の視点に立ったテーマは新鮮であり、興味深くお話を聴くことができました。 講演内容の概要は、以下の通りです。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 企業と消費者の関係で最も重要なことは、企業が様々な情報(商品情報・事件事故情報等)を適切に開示し、消費者と共有することです。そして、消費者も責任ある適切な判断を、購買行動に反映させることです。 これまでは、消費者と行政が結び付き、消費者被害が起こった場合には、消費者が行政に企業の管理や取り締まりを要請するという流れでした。しかし、実際に市場を構成する2大要素は「企業(商品提供・説明・情報開示)」と「消費者(購買・選択)」であり、これからは、両者のコミュニケーションをより深め、学びあい、協働していくことが必要です。 企業と消費者の協働は、双方にとってメリットとなる、様々な可能性があります。例えば、以下のようなことが考えられます。 @企業の商品開発力の向上 →消費者目線での商品開発(ヒット商品の可能性?) 例)無漂白食パン、成分無調整牛乳、電子レンジに強いラップ等 A消費者の選択力・企業の説明力の向上 →消費者が表示や情報を読み解く力を付けることで、企業の伝える力も増し、マスメディアからの情報を、消費者が適正に識別できるようになる。 B企業・消費者のリスク管理力の向上 →生活感覚での研究開発や互いの知識・スキルを伝授することで、製造・流通段階、家庭内での品質管理力が増し、事故などのリスクを低減できる。 また、世界的な食料需給や貧困問題などの解決に向けて、食品ロス対策やフェアトレードの促進など、企業と消費者にできることはたくさんあります。食品労使には、消費者とのコミュニケーションの深化、協働を促進する活動を期待したいと思います。 <その他の内容> ◇消団連の組織と活動紹介 ・製造物責任法・食品安全基本法等、法律制定に向けた運動 ・学習会やシンポジウムの開催(トクホとエコナ、食のリスク等) ・国内外の食品工場への見学会(冷凍ギョーザ事件後は、中国へも) ◇消費者庁・消費者委員会創設の背景 ・消費者被害の深刻化(経済的損失額は、最大3兆4千億円) ・消費者保護は、産業振興の間接的テーマ・縦割り行政 →パラダイム転換(施策や行政のあり方を消費者基本法の観点から見直す) ◇消費者庁の体制と食品安全施策 ・政策立案と規制の一元化、情報の一元化、相談窓口の一元化 ・食品表示関連制度の再検討、米トレーサビリティー法、HACCP手法の導入促進等 ◇消費者主役の意味 ・消費者主役社会=消費者の権利保障・より良い社会づくりへの参画 ・消費者基本法 事業者の責務=消費者の安全と取引の公正、情報提供等 消費者の責務=自主的な知識習得・情報収集を踏まえた合理的購買行動等 | ||
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