2010春闘集中回答指定日を終えての談話323日)
中核組合からの報告相次ぐ
日本食品関連産業労働組合総連合会
事務局長 江森 孝至

1.非正規労働者の増加、賃金の下落傾向と労働者への配分の歪み、大手組合と中小組合との賃金格差の拡大など、日本はいま、貧困と格差の拡大が社会的にも大きな問題となっている。こうしたなかで2010春季生活闘争は、賃金の下落傾向に歯止めをかけ、非正規労働者を含めたすべての労働者の条件向上をめざして闘われている。
連合は、昨年に続いて5つの「共闘連絡会議」を設置し、「有志共闘」との相乗効果をはかりながら、集中回答指定日を中心に情報開示を行なってきた。3月20日に連合が公表した賃上げ結果は、加重平均で5,369円となっている。この結果に対して、連合は「ほぼ賃金水準を維持できた」と総括した上で、「賃金水準の低下を阻止する今春闘の本番はこれからであり、この結果を中小労組の交渉に生かしていく」としている。また、3,000組合以上が非正規労働者の条件改善に向けて取り組むことが見込まれていることも公表した。

2.フード連合の3月4日現在の平均賃上げ方式69組合の要求水準は5,621円であり、春闘方針で示した賃金引上げ要求の水準である「5,500円」を上回っている。これ以上の賃金低下を阻止するというフード連合の春闘方針に結集して、全体で闘う姿勢がこの要求に示されている。
また、3月19日現在の妥結組合は43組合であり、加重平均で5,614円(1.86%)となっている。昨年の同時期と比べて494円下回っているものの、ほぼ全組合が賃金カーブ維持分を確保した上で、9組合ではベアや賃金改善を、また、8組合では非正規労働者の時給の引き上げや条件の改善を勝ち取っている。さらに、20組合が昨年以上の一時金を獲得している。
大手組合が、役割と責任を自覚し、情報の公開と粘り強い交渉を通じて相乗効果を発揮してきた結果であり、この間の各組合の取り組みに対して、敬意を表するものである。

3.フード連合は、今春闘で「中小共闘支援拡大センター」を設置して、要求から交渉・妥結まで、中小組合に対する支援体制を強化している。
未解決組合と中小組合にとっては、これからが本番である。大手組合が獲得した妥結水準を意識しながら、自らが賃金水準や格差の実態等を把握して、要求の根拠をしっかりと持った交渉を強化し、賃金カーブ維持分に加えて、ベアや何らかの賃金改善を引き出し、実質賃金の維持と格差の是正分を獲得するよう要請する。また、業種別部会や大手組合に対しては、引き続き、中小組合やグループ企業の賃金交渉に対して情報の開示をはじめとした支援体制を取っていただくよう改めて要請する。
フード連合も、各組合の闘いを支援・強化していくため、引き続き、的確な情報発信と中小労組支援オルグ等を行い、賃金カーブ維持分の確保と格差の是正、相場の波及を通じた全体の底上げをはかっていく。
「力をひとつ」にして、最後まで頑張ろう。
―以 上―