会長年頭あいさつ 2010春闘は中小労組支援の枠組みを拡大 11日)
フード連合会長 渡邉 和夫
フード連合会長 渡辺 和夫

 フード連合に集う組合員の皆様、ご家族の皆様、新年明けましておめでとうございます。
年頭にあたり、本年が皆様方にとりまして良き年になりますよう、心からご祈念申し上げます。
 
さて、昨年は皆様のお力添えもいただくなかで、私たちの念願であった政権交代が実現できました。改めて御礼申し上げますとともに、課題山積のなかでの鳩山内閣の船出であり、その成果を私達が実感するには未だ道半ばの状態といえます。今年は7月に参議院選挙が行われます。国民の暮らしを第一に考える開かれた政治をさらに推進していくためには、安定した政権運営が必要でありなお一層のご協力をお願いする次第です。
 
 わたしたちの働く食品産業に目を転ずれば、世界同時不況以降消費が低迷を続けるなかで企業の生き残りをかけた競争に拍車がかかっています。また、人口減少社会の到来という環境変化に対応すべく、経営の統合や資本提携等の動きが活発化しており、労使間の事前協議を空洞化させない労組のチェック機能の発揮が求められています。

 2010春季生活闘争も始動しています。連合は、非正規労働者を含めた全労働者を対象に、賃金をはじめとする待遇改善に全ての組合が取り組むことを課題として掲げています。フード連合は、賃金カーブ(体系)維持分として5500円以上を確保すること、定昇制度のない中小労組ではこれ以上の格差の拡大を阻止するための要求として5000円以上を賃金引上げ目標としました。加えて、2010春季生活闘争における新たなチャレンジとして、中小労組支援の枠組みを拡大し、具体的な形で指導の徹底を期すこととしております。また、所定労働時間2000時間越えの全単組は、要求を提出し交渉をスタートさせることを方針としています。この他、パートタイマーの組織化も通念的課題でありますが、各単組リーダーがもっと意識改革を進めスピードアップした取り組みとなることを期待しております。

 まさに課題は多岐にわたりますが、この事はそれだけ労働組合が必要とされている証でもあります。労働組合のない職場に働く食品の仲間からフード連合へ数多くの労働相談が寄せられてくることもまた事実であり、私達は自らの役割をしっかりと自覚する必要があります。そうした意味からも、本年が実り多き年となるよう皆様と手を携えて努力する所存ですので、何卒宜しくお願い申し上げます。