2010フード連合春闘討論集会を開催〜春闘方針素案を論議129日)
積極的な取り組みを訴える渡邉会長
 フード連合は、2009年12月1日〜2日に熱海後楽園ホテルで「2010フード連合春闘討論集会」を開催し、過去最高の約170名が参加して来年の春季生活闘争方針(案)づくりに向けて積極的な討論を行いました。
 1日目の基調講演で、渡邉会長は「2010春闘を臨むにあたって加盟組合に期待すること」として、来春闘はすべての単組が賃金カーブを維持した上で、非正規労働者の処遇改善を求める取り組みを行なうよう訴えました。また2010春闘では、大手労組が情報を開示するとともに、中小労組支援として、「中小共闘拡大支援センター(仮称)」を設置し、本部・ブロック局、業種別部会、大手労組が中心となって支援していくとの考えが示されました。

春闘方針(素案)を提起する栗田労働局長
 次に團野連合副事務局長から連合2010春季生活闘争方針(案)についての説明のあと、栗田労働局長から、「2010春季生活闘争方針(素案)」の提起があり、「相対的に低位にある食品労働者の賃金水準の引き上げと産業間、規模間、業種間等の賃金格差の是正を求めて、全体の賃金の底上げを実現していく必要があり、そのためには賃金カーブ(体系)維持分の確保に加えて、賃金格差の是正、生活の維持・確保のためにあらゆる改善原資の獲得を求めていく」ことが示されました。
また、パート労働者の組織化や春闘での中小労組の特徴的な取り組みについて、日本ハムユニオンの五野書記長、宮島労組の山崎委員長から事例報告を受けました。五野書記長は、パートナー社員の増加で事業所によっては、過半数組織となっていないことなどによる労働組合としての「代表制の危機」、同じ働く仲間の声の吸い上げることの必要性、労働組合としての存在意義・社会的責任について、パートナー社員の組織化・処遇改善の取り組みの重要さを強調しました。山崎委員長からは、中小労組としての2009春闘の取り組みにあたって九州醤味労連として共闘会議を設置し、賃上げについての統一要求を決定して取り組み、各単組間での情報の共有化や戦術を含めた意見交換等を通じて、きびしい状況下の中で一定の成果をあげたことなどが報告されました。
2日目は、11分科会に分かれて、1日目の「フード連合2010春季生活闘争方針(素案)」の提起や講演等を踏まえて、2010春闘で提起された具体的要求基準案等について積極的な討論が行なわれました。
 討論集会の最後に、江森事務局長は、「政権交代は実現したが、6人に1人が貧困状態にあるなど、格差や貧困の実態は解消されていない。賃金の下落傾向に歯止めがかかっていないなかで、非正規労働者を含めた全体の底上げや格差の是正のために組織労働者が果たすべき役割は大きい。数年間フード連合として積み上げてきた春闘の取り組みを、運動面を含めて来春闘にどうつないでいくかが問われている。逆風のムードに流されず、全体で力を合わせて非正規・中小労組を含めた全体の底上げにつながる春闘にして行こう」とまとめました。

Photo Photo Photo
連合方針(案)を説明する
團野連合副事務局長
パートナー社員の組織化の報告
をする五野ニホンハムユニオン書記長
09春闘の取り組みを報告する
山崎宮島労組委員長