少しの勇気をもって活動に参加を!
〜IUFアジア太平洋女性委員会&セミナーに参加しました〜
(2月25日〜28日)

アジア各地からの参加者一同
 IUFアジア太平洋女性委員会及び「不安定雇用」に関するセミナーが2月26、27日に韓国で開催され、フード連合男女平等委員会から、牛澤有子副委員長(全日本たばこ産業労働組合中央執行委員)と林真寿美委員(東洋精糖労働組合執行委員)が出席しました。
 セミナー前日の25日には、IUF-JCC独自企画として、ソウル市麻浦区にある「働く女性のアカデミー」を訪問し、イ・チョルスン代表に韓国における1970年代軍事政権下からの女性労働者権利獲得闘争の歴史や、現在のアカデミーの仕事である女性組合役員の養成について、また「韓国女性労働組合」のパク・ナムヒ委員長からゴルフ場キャディーの定年延長(43歳から正社員と同年齢)に取り組むために労組結成から要求獲得までの活動支援の話しを伺うなど、日韓両国の女性労働者をめぐる労働環境等について意見交換を行ないました。
女性のライフステージから考える「不安定雇用」の現状ととりくみを報告
 2月26日の「不安定雇用」に関するセミナーでは、韓国の「全国不安定労動撤廃連帯」執行委員長キム・ヒョジンさんによる韓国通貨危機(1997年)以降の雇用形態の変化(正社員の大量解雇から派遣労働者雇用へ)について基調講演があり、続いて韓国、インドネシア、日本の「不安定雇用の現状」がプレゼンテーションされました。それぞれの国で女性労働者の置かれている状況は異なりますが、労働組合の活動に多くの人の参画を求め、大きな力(世論)として現状を改善していく方法が有効であると論じ合いました。
 また不安定雇用に対するキャンペーンのツールとして、製造工程フローに正規雇用者と不安定雇用者の人数を視覚化することで分析しやすくする手法(マッピング)の説明を受けました。
 翌2月27日は女性委員会が開催され、IUFアジア太平洋地域書記局のヒュー・イン・リムさんから女性委員会の役割と活動報告があり、「不安定雇用に関するキャンペーン」の内容を議論し、決定しました。

プレゼンを終えて一息つくチーム日本

 非専従で組合役員をしている私にとっては、この委員会等に参加(セミナーでのプレゼンテーション・職場を3日空ける)することは、かなりの勇気が必要でした。
 セミナーのプレゼンテーション準備を牛澤さんといっしょに行ない、良い勉強・経験になりました。職場では委員会参加等への同僚の快諾だけでなく応援もあり、ありがたく、組合員の皆さんに支えられている事に気付かされました。また、同じ女性として、このセミナーを運営する方々や通訳の方々のプロとしての仕事ぶりを間近に見て、感じることができ、刺激的で有意義な3日間でした。
 現在、女性は家庭責任が重いため組合活動に参加するのが大変なこと、雇用問題は職場だけでなく会社、家庭、地域も含めて考えないと解決できないことなど、どの国でも共通していました。だからこそ、2007年12月に政労使で合意した「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)が実現した社会の姿」にあるように『一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる社会』に近づくことが大切であると思います。そのためには、フード連合の男女平等委員会の取り組み課題である「ポジティブアクション20」の実現に向けて頑張らないといけないと決意を新たにしました。
 女性の皆さん、少しの勇気をもってあなたも組合活動に参加し、組合役員になり、より働きやすい環境を創っていきましょう。

「地球上にいる男性と女性が真の男女平等を獲得し、ワーク・ライフ・バランスを実現する働き方を実践し、明るい太陽の下、私たちの未来を託す次世代を担う子供達を育てて行く。そんな明日をめざして共に頑張っていきましょう。」

今回の女性委員会&セミナー参加にあたって私たちが考えたシンボル(イラスト&メッセージ)です。

記事:東洋精糖労組 林真寿美