北海道・根室のすぐその先に日本の四島があることを忘れないでください!
― ピースアクションin根室 2008.9.20〜21 ―

北方四島交流センター(ニ・ホ・ロ)のすぐ目の前に国後島が見えます
 1945年8月の終戦後、「日本が降伏した後は攻撃を行わない」という連合国の原則に反して、ソ連軍は北方四島(択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島)を次々に占拠しました。そして今も、旧ソビエト・ロシアに不法占拠され続けています。

 フード連合では、平和を考えるための行動「ピースアクションin根室」を毎年開催しています。
 今年は9月20日、全国から30名が、例年になく暑い根室の北方四島交流センター(ニ・ホ・ロ)に集まりました。

納沙布岬・望郷の岬公園での平和ノサップ集会
 ニ・ホ・ロでは、「連合・北方四島学習会」が開かれ、元島民のふるさとへの想いの講演、北方四島の今の状態の講演、ロシア風水餃子「ペリメニ」づくり等のセミナーに参加し、北方領土への理解を深めました。
 フード連合「平和を考える交流会」では、夕食の後、今話題の「蟹工船」のビデオを鑑賞、「団結」の意義を学習し、平和について熱く語り明かしました。
 翌日21日の「連合2008平和ノサップ集会」には、連合全体で1,200名が納沙布岬望郷の岬公園の四島のかけはしの前に集まり、缶詰工場の辛苦を唄った「根室女工節」により幕を開けました。

元島民の想いを訴える択捉島出身の三上さん
 集会で、択捉島出身の元島民・三上洋一さんは、「エゾカンゾウが地平線まで咲き乱れる私の故郷・択捉島で、いつの日か、この集会を開催するのが夢だ。島は日本人の帰りを待っている。」と訴えられました。
 北方領土返還要求運動連絡協議会の児玉泰子事務局長は、「皆さん、ここに来たら病気になってください。病気になれば痛みが自分のこととしてわかります。目の前の島は、元島民の島ではなく、日本の一人ひとりの島だと思って、帰ることのできない痛みを感じてください。そして北方領土問題に関心を持って全国の仲間へと運動の輪を広めてください。」と訴えられました。

 2008年の「ピースアクション」は、根室で幕を閉じました。
 そして、2009年6月の沖縄へと続いています。
 6月沖縄、8月広島・長崎、9月の根室で、平和をあつく語り合いましょう。
 皆さんの参加をお待ちしています。

ピースアクションに参加して
J-オイルミルズ労働組合 宮坂新治
「あの戦争に自分の息子を戦場に出させたくない!あの悲惨な時代をもう送りたくない!」 未だこのメッセージが私の脳裏の中に焼き付いています。
 今年度開催された、ピースアクションin沖縄・広島・長崎・根室に参加でき、心から戦争は絶対に起こしてはならないと感じ、今の暮らしや幸せは何か?と自問自答する平和運動でした。
 沖縄戦争では地上戦が繰り広げられた悲惨な話しや、「ひめゆり学徒」の想像を絶する医療現場で当時15歳〜18歳の少女がこれからの未来に夢に胸を膨らませ学業に専念するはずの子供たちが戦争と言う悲惨な現場に増員させられた話、そこには人間が人間の尊厳を奪う事や、壕の中では生きるために子供を殺してしまう、食料を確保するために人を殺してしまう壮絶な日々を送っていたそうです。
 また広島・長崎は唯一原爆が投下された場所です。沖縄の地上戦とはまた違い、想像を絶する悲惨な現場を見学しました。両大会でも被爆された方の語りがありましたが、終戦63年をむかえ、今だ戦争は終わっていないと感じています。被爆された方は原因が解らない病気と闘い、被爆されたお子さん達は被爆2世として差別を受けているとお話がありました。長崎平和式典には参加できなく、原爆投下時刻を長崎空港で迎える事になり空港のアナウンスで1分間の黙祷をしましたが、隣のお爺さんは涙を流しながら黙祷をしておりました。
 根室でのピースアクションはこれまでの平和運動とは違い、北方領土問題を取り上げた平和運動でした。今ロシア政府によって北方領土に移住させるため、ロシアの平均月給の5倍〜10倍の賃金を払い、また年金支給年齢の引き下げを行い北方領土に移住権を取るための施策が繰り広げられています。そこにはロシアの驚愕の資金(9年間で800億円の投資)が動いており、財政の力によってその地で移住していた日本人が追いやられています。

 最後になりましたが、今我々が幸せな生活を送れるのは何故なんでしょう?過去戦争が繰り広げられた時代に逆戻りした場合、ディーセントワーク(働き甲斐のある人間らしい仕事)も送れなければ、人としての尊厳はそこにあるでしょうか?私達がこれからの子供達に戦争の悲惨な出来事をしっかり伝えるべきだと思います。
 一つ一つの行動が力となり、今後も微力ながら無力ではない事を信じ平和活動をやっていき、平和を続ける事は我々の義務であり、幸せを創るのは権利であると強く思ったピースアクションでした。
 フード連合本部の方々、各地区協の万全のご協力に大変感謝しており、改めてお礼申し上げます。