フード連合「第7回定期大会」開く〜すべての議案を決定98日)

あらたな取り組みを確認

 フード連合は8日、役員・代議員・オブザーバーなど374名が出席して、東京ビックサイトで「第7回定期大会」を開催しました。大会では、中間年であるこの1年間の活動報告や新規加盟組合を紹介するとともに、2008春季生活闘争のまとめをはじめとしたすべての議案を決定しました。
 渡邉会長は挨拶の中で、当面、特に注力すべき3つのテーマ「中小労組に対する支援体制」、「2009春季生活闘争」、「労働時間短縮の取り組み」について触れ、2009春季生活闘争では、「企業業績が悪化する中で生活関連物価が上昇するなど厳しい環境下の闘いになる。労働組合の真価が問われる闘いであり、この秋口から単組も産別も早めに準備に入ることが重要だ」と強調しました。

活動推進へガンバロー

 続いて、木・連合会長、川端・食品産業政策推進議員懇談会会長(民主党副代表・衆議院議員)、西藤・食品産業センター理事長から連帯の挨拶を受けた後、活動報告、決算報告などを承認しました。また、城島顧問から次期衆議院選挙への決意表明を受けた後、各議案の審議に入り、すべての議案が満場一致で決定されました。
 大会終了後、笹森清・中央労福協会長(前連合会長)から「組合が変わる・社会を変えるー思いを一つに!!共感の得られる労働運動ー」をテーマとした記念講演を受けました。


フード連合第7回定期大会 会長挨拶


 フード連合 第7回定期大会に全国各地からご参集いただきました大会代議員、オブザーバーの皆さん、大変ご苦労様です。
 また、本日は大変お忙しいなか、本大会の激励のために、連合を代表して高木会長、民主党からは副代表でフード連合の食品産業政策推進議員懇の会長でもあります川端達夫衆議院議員、財団法人 食品産業センターからは西藤理事長、IUF・JCCからは見里事務局長、フード連合全たばこ退職者の会からは平田幹事長、さらには来るべき総選挙に神奈川10区から立候補を予定しております城島光力 顧問の皆様においでいただいております。
 ご来賓の皆様方の日頃からのフード連合に対しますご指導とご厚誼に心より感謝申し上げますとともに、改めまして会場のみなさんの拍手で御礼に代えさせていただきたいと思います。本日は大変ありがとうございます。

 さて、私たちは昨年の9月の第6回定期大会において、向こう2年間の運動方針を決定し、この間取り組みを進めてまいりました。
まずもって、代議員のみなさんのご理解とご協力に感謝を申し上げる次第です。今年は中間年ということから、本大会はこの一年間の活動を振り返り、その反省の上に立って、課題の実現に向けて、さらに力を合わせていくことを確認する大会であります。
 まずはこの目的についてしっかりと共有したいと考えます。
 私たちが最重点方針として位置付けている組織拡大につきましては、みなさんの努力によって、本日ご紹介いたします新規加盟の労働組合に加えまして、パートタイムで働く仲間の加入が増えてきております。非正規で働く人の比率が35%にまでなっている今日、労働組合としては、ねばり強く組織化の努力を続ける必要があります。しかしながら私たちの15,000人という拡大目標に対しては数の上からは大きく遅れとっていることも事実であり、この機会に改めて、みなさんの一層の奮起を促すものであります。

 昨年の大会以降、食品産業を取り巻く環境は大きく変化し、まさに荒波にもまれるような1年であった気がします。中国産冷凍ギョーザによる食中毒事件は未だ混入経路が特定できずにいますし、相次ぐ、食品偽装事件では労働組合として品質管理ルールのチェックや企業に対するコンプライアンス確立を中心としたCSRの強化に取り組むよう、連合から事務局長談話が出された次第でもあります。
 また、農産物の国際価格の高騰は、輸入依存度の高い我が国の食品企業の経営を強く圧迫しております。「川上インフレ・川下デフレ」という状況が続くなかでは、適正に価格転嫁が進まなければ、特に中小企業にあっては厳しい状況に追い込まれることとなります。
 労働組合としてはこれまで以上に、公正な取引関係が構築されるよう取り組んでいくことが必要でありますし、中小労組では自らの企業状況をしっかりと把握し、労使間における事前協議制を実効あるものにしていただきたいと考えます。食料をめぐる国際情勢の変化が加速し、需給関係が逼迫の度を増しており、わが国としては食糧自給率を高めることが急務であります。
 食品産業は消費者の国産ニーズに応えるうえからも農業との適切な連携が求められていくでしょう。一方、人口減少社会を見据えた海外市場への戦略的進出もにわかに進んでおり、雇用への影響など多様な問題が私たちの前に現われてきているといえます。
 さらに、企業間での合従連衡や事業の再編が進み、競争が激化し業績格差の拡大も顕著になっています。このような時こそ、労働組合は自らの役割や社会的に求められている使命を自覚し、「公正で安心な社会を作る」ために、積極的に行動する必要があります。

 私たちは、これからの一年間、運動方針の実現に向けて、さらにそれぞれの立場で努力していくわけですが、これに加えてフード連合として、当面特に注力すべき3つのテーマについてふれたいと思います。
 その1つは、中小労組に対する支援体制の強化であります。先程申しましたように、これからの食品産業を展望した時、中小企業はこれまで以上に構造的にも苦しい局面に立たされていくでしょう。
 他に抜きん出た技術力、商品力などがあればともかく、多くの企業は厳しさと向き合っていくことになるでしょうし、労働組合としても先見性なり覚悟が問われる時であります。
 フード連合としてはしっかりとした指導やフォロー体制づくりを進めたいと考えるものですが、ご参集の各部会の大手組合におかれましても、よろしく目配りいただくようお願い致します。
 2つ目は09春闘の闘いであります。景気の停滞、物価の上昇、業績の悪化、こうした環境下で来春闘は闘うこととなります。08春闘のヤマ場で吹き荒れた逆風と同様、あるいはそれ以上の厳しい条件下の闘いといえます。しかし同時に09春闘こそ、労働組合としての真価が問われる闘いであります。私たちは過去何年かの間、企業の競争力強化のために協力を惜しまず、「企業あっての労働者、労働組合だ」という呪縛のなかで呻吟してきたのではないでしょうか。企業が空前の利益をあげれば、それを我が事のように喜び、自らの家計の疲弊は甘んじて受け入れてきたといったら言いすぎでしょうか。
 ともあれ、09春闘を自らの闘いとするためには、この秋口から単組も産別も早目に準備に入ることが重要であります。自ら汗をかいて意欲を持って取り組めば、結果はおのずとついてくるものであります。春闘は労働組合の組織の力と団結の力を高める格好の学習の場でもあります。
 時間の制約から駆け足で申し訳ありませんが、3つ目が労働時間短縮の取り組みです。この間、フード連合として、環境の厳しさを理由にこの課題を神棚に上げたきらいのあることを率直に反省しております。ワーク・ライフ・バランスや労働時間管理の問題、さらにはメンタルヘルス、過労死等々、すべては現下の長時間労働に起因したものと言えるでしょう。これもまさに労働組合の責任大であります。生産性や要員、これらの事も含め、大幅な時短を図るために、発想を変えて要求を作る必要があります。所定内労働時間が2,000時間を超える異常さに対して労働組合がもっと感受性を高めた対応をしないかぎり、産業としての明日はないという位の危機感を持つべきではないでしょうか。具体的な前進に向けて是非ともスケジュール化しようではありませんか、産別としてしっかりサポートしたいと考えております。

 さて、フード連合は名実共に食品労働運動を主導していくために結成以来、自らの組織基盤を強固なものにするべく努力をしてきました。そのために財政面でも支出を最大限抑制し、今日に至っております。このことは加盟各組合においても同様のものと認識しているところですが、フード連合としては組織財政検討委員会で産別会費の今後のあり方について、この間議論を重ねた結果、この度、答申をまとめていただきました。
 ご案内のように連合にあっても、会費のあり方について議論が行われていますので、フード連合としては、こうした議論経過もふまえながら、産別会費の方向性について、来年1月の中央委員会に提起し、みなさんの論議に付すとともに、来年9月の第8回定期大会で結論を得たいと考えておりますので、その節はご理解下さいますようお願い申し上げます。

 最後になりますが、来るべき総選挙についてであります。
1週間前の福田首相の退陣表明は多くの国民に政治不信をもたらしたとともに、解散・総選挙が間近に迫ったことを印象付けたかと思います。政権交代がより現実味を帯びてきたわけですが、これも私たちが全国でしっかりと闘うことができなければ夢物語に終わってしまいます。政府与党も必死の巻き返しを図ってくるでしょうから、私たちも体制づくりを急がなくてはなりません。
 城島顧問の当選を勝ちとり、政権を奪取するためにフード連合あげて闘い抜くことを、みなさんとともこの場で確認し合いたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 なお、それぞれの組織の事情から本定期大会をもって退任される役員の方々がおいでであります。後程、ご挨拶の機会がございますが、4名の副会長をはじめ、みなさんには大変ご尽力をいただき感謝申し上げる所であります。
 時間の関係で触れることのできなかった項目も多くありますが、大会のなかでの議論で補足していただくようお願い申し上げ、本部を代表しての冒頭の挨拶とさせていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。

以上