2007春季生活闘争のヤマ場を終えての談話
日本食品関連産業労働組合総連合会 事務局長 江森 孝至(3月8日)
統一回答指定日にはベア獲得の報告が
1.3月16日、連合は2007春季生活闘争の第1のヤマ場を終えて、「賃金改善」を獲得した組合が増え、昨年実績を上回る回答を引き出しているとした上で、連合全体で「昨年を上回る賃金改善」と「賃金の社会性」をめざして取り組んだことが、結果に結びついていると分析している。また、企業業績にバラツキはあるものの、全体としては好調な状況を踏まえると、労働側への分配の是正という観点では不十分であると言わざるを得ないと指摘している。

2.今春季生活闘争の新たな試みであり、フード連合も参加した「有志共闘」は、3月16日に報告のあった6産別、54単組の集計では、加重平均で1,233円、単純平均では1,040円の「賃金改善」を勝ち取ることができた。
 連合全体としては「労働側への分配の是正という観点では不十分」とされている中で、1,000円を超える水準をたたき出したことは、「有志共闘」が当初めざした相場形成の一翼を担うという目的は、一定程度達成できたと言える。

3.フード連合の3月16日現在の要求状況は、平均賃上げ(加重平均)で7,197円(2.57%)となっており、昨年同時期と比べて額で1,022円、率で0.27%上回る水準である。2007春季生活闘争を闘う各組合の決意が表明された結果である。
 また、3月16日現在の回答・妥結状況は、ベア・「賃金改善」を勝ち取った組合は15組合、単純平均で961円となっている。これは昨年同時期と比べて8組合増えており、平均賃上げ(加重平均)では5,629円(1.9%)で、昨年同一組合比で額282円、率で0.1%上回っている。さらに、時間外割増率の引き上げや企業内最低賃金の協定化、パートの組織化と処遇改善の取り組み等についても成果を勝ち取っている組合が出てきている。
 こうした結果は、頑なにベア・「賃金改善」を拒否してきた経営側に対して、共闘を重視しながら粘り強い交渉を積み上げてきた闘いの成果であり、全体としては、フード連合として昨年を上回る回答を引き出している状況にあると言える。

4.2007春季生活闘争は、今週以降3月末に向けて第2のヤマ場を迎える。
 未解決組合や中小組合は、これまでの各組合の回答・妥結状況を踏まえ、昨年実績を上回る水準を獲得した上で、さらに格差是正分や「賃金改善」などの上乗せ分を勝ち取るよう交渉体制の強化を要請する。
 フード連合は、各組合の闘いを支援・強化するため、引き続き、的確な情報発信と相場の波及に努める。

―以 上―