会長挨拶(要旨)

フード連合会長 渡邉 和夫
フード連合会長
渡邉 和夫

 職場の声を原点に
 正義を貫く運動の前進を

 フード連合は昨年の第4回定期大会において向こう2年間の運動方針を確立し、組織の強化と拡大を最重点課題として位置付け、取り組みを進めてきました。労働組合にとって、組織の拡大は運動の基盤であり、運動に参画する仲間を増やし、社会的な影響力を強めていくことが重要です。
 フード連合は、この2年間に20、000人の組織化を具体的な目標としています。特にグループ企業の組織化やパートタイム労働者の組織化については、そのスピードをあげていただきたい。同時に、労働組合法の精神に即した組合員範囲の適正化についての検討や高齢者雇用安定法に基づく60歳以降の継続就労者の組織化についても対応を進め、正社員、組合員の減少に歯止めをかける必要があります。
 私は昨年の大会で、これからの2年間は「行動」の時であると申し上げました。フード連合の活動が職場の組合員に目に見えて映るあるいは実感できるという点からも、組織の強化と拡大は焦眉の急であります。今日からの1年、全組織をあげて、この課題の実現に向け邁進する年とすることを確認したいと思います。
 2点目に、2007春季生活闘争の取り組みです。連合では2007春闘をどう闘うか、議論がスタートしています。フード連合も、2006春闘のまとめの議論もふまえ、産別としての社会的な役割を果たしていきたいと考えます。
 小泉内閣の無秩序な規制緩和と市場万能主義は社会の二極化をもたらし、格差の拡大を招きました。賃金改善の名のもとに、公正な分配を求めて連合をあげて闘った今春闘は、中小共闘、パート共闘の奮闘もあり、一定の成果を導き出すことができました。しかし、政府の押し進める大衆増税路線で、私たちの家計は疲弊し、可処分所得のマイナスはなお続いています。私たちは今春闘以上の闘いを組織し、フード連合の結束を一段と強化しなければなりません。
 製造業のなかでも相対的に低位にある食品産業の賃金水準を是正していくうえでは、中心産別としてフード連合に課された使命と役割が、大きいことを改めて自覚する必要があります。定期大会以降、労働政策委員会の論議を皮切りに春闘方針(案)作りに入りますが、執行部としても丁寧に議論を進めていきたいと考えます。構成組織全体が方針に結集し、成果を導き出せる磐石な体制を築き上げたいと念願します。
 3点目は、来年4月に予定されている統一地方選と7月に施行される第21回参議院議員選挙についてです。1年前の9月11日に行われた衆議院の解散総選挙では自民党が圧勝しました。巨大与党の誕生を許したこの選択により、その後の国政・国会運営はどうなったのかを、私たちは今一度考えてみなければなりません。政策を変え、社会を変えていくには政治の場に私たちの声を代表する人を増やしていく、さらには政権交代を実現することが不可欠です。フード連合は2007年政治決戦の意義について、しっかりと職場に浸透させていく必要があると考えております。来年の政治決戦に勝利することは、来るべき総選挙において城島顧問の復活を確実なものとする第一歩であることを確認したいと考えます。
 今、時代は大きく変化し、労働運動も再活性化の道を模索しています。活動を進めていくうえでは様々な困難にも直面しますが、私たちの運動の原点は常に「職場」にあります。職場組合員の声に耳を傾け、正義を貫き通す姿勢を堅持して、フード連合の運動の前進を期することを全体で確認したいと考えます。